ある村のお婆さんは、仏様を拝まず鬼を拝んでいたから閻魔様にけしからん!と怒られて、地獄に落とされてしまう。
おばあさんは閻魔大王のところへ向かう途中で、鬼達と出会い、ばあさんは大喜び。鬼たちも「ああっ!いつも俺を拝んでくれたばあ様だ!」と大喜び。早速、閻魔大王の下へ行きますが、おばあさんは生前に神仏を拝んでいなかったので、地獄行きになります。
まず最初に釜茹での刑になります。しかし「ばあ様安心せえ。ばあ様はこっちじゃ」と、鬼たちが指を差す方には小さな釜があり、程好いお湯が沸いていました。おばあさんは大喜びでお風呂に入り、歌を歌います。
歌を聴いた閻魔大王は、驚いて今度は針の山に刑を変えます。針の山に着くと、鬼たちが用意した鉄下駄をはいて、針の山の頂上まで行きます。 頂上からの景色は遠くに光り輝く極楽が見える絶景でした。感激したおばあさんは、山を降りて閻魔大王に「針の山に住みたい」とお願いをします。
閻魔大王は「なんというばあ様じゃ。これでは地獄にいても意味は無い」そういっておばあさんを極楽に送ることにしました。 極楽に向かう階段の入り口では鬼たちが悲しそうに見送ります。
「鬼さまたちと離れるのは寂しいが、極楽で暮らすのもよかんべ」こう言っておばあさんは極楽の階段を上っていきました。
(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 富山のむかし話(日本標準刊)より |
出典詳細 | 富山のむかし話(各県のむかし話),富山県児童文学研究会,日本標準,1978年09月01日,原題「鬼をおがんだおばあさん」 |
このお話の評価 | 8.67 (投票数 9) ⇒投票する |
⇒ 全スレッド一覧