大晦日、みすぼらしい姿の神様が、一晩泊めてくれるよう家々を訪ねます。
どこでも断られますが、ある貧しい夫婦(元は長者)が「何もありませんが」と喜んで泊めてあげる。当然、神様から二人に福が授けられるのですね。「金欲しいか?歳若さ欲しいか?」っていう問いに「歳若さ」と答えます。「川で七度、水を浴びよ」との仰せに従うと二人は若返りました。
そのことを知った金持ち夫婦が、神様を強引に家に引っ張りこんで歓待、神様は同じようにお礼はどちらがいいか聞きます。金持ち夫婦も「歳若さ!」。ところが、一族を引き連れて川に入った金持ちは、全員「猿」になってしまう。神様は若返った二人に、これからは金持ちの家で暮らすようにと言って去っていきます。
けれど、怒った猿達が毎日、元の我が家の周りでわめき続けるので、二人は困惑。すると、夢に神様が現れて「門の前の敷石を焼いておきなさい」というお告げ。そのようにすると、猿達がいつものようにやってきた。不思議なことに全員が一度空中に持ち上げられて、一気に敷石の上に尻から落とされる。ジューッ!!猿は逃げ、二度と現れなかった。そうです、以来、お猿の尻は真っ赤になったのさ。
(引用:『萬雅堂』便り)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 瀬川拓男(角川書店刊)より |
出典詳細 | 神々の物語(日本の民話03),瀬川拓男,角川書店,1973年10年25日,原題「さすらいの年神さま」,伝承地「九州沖縄地方」 |
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