No.0179
ねこだけのねこ
猫岳の猫
高ヒット
放送回:0111-B  放送日:1977年11月26日(昭和52年11月26日)
演出:小林三男  文芸:沖島勲  美術:青木稔  作画:昆進之介
熊本県 ) 73277hit
あらすじ

昔、阿蘇山の麓の深い草むらの中を、一人の旅人が歩いていました。この辺りは、九州中の猫が集まって化け猫の修業をするという、恐ろしい噂がある場所でした。

旅人は、道に迷って不安になっていると、遠くに灯りのともった立派な屋敷がありました。旅人は一晩の宿を借りようと、屋敷の玄関で声をかけました。

すると、奥から女が出てきて、何とも気味の悪い座敷に案内してくれました。旅人は、ご飯の前に風呂へ入ろうと、屋敷内の長い廊下を歩いていました。その途中、すれ違った別の女の人が、旅人の顔を見て大慌てで駆け寄ってきました。

女の人は「私は以前、お隣にいた三毛猫です。ここで湯に入ったり飯を食ったりすると、猫になってしまう。すぐにお逃げなさい」と、旅人に忠告しました。

旅人は、急いで屋敷から逃げ出しましたが、屋敷の女たちは湯の入った桶を持って追いかけて来ました。旅人は必死になって走りましたが、先回りした女たちは岩場の上から旅人めがけて湯をぶっかけました。

旅人は、降りかかる湯をどうにか避けて、ようやく逃げ帰ることができました。でも、お湯のしぶきがかかった耳の下と脛(すね)の辺りには、もう猫の毛が生えていたそうです。

(紅子 2013-10-20 1:52)


参考URL(1)
http://www.geocities.jp/aosora_nosita/tozan_nekodake.html
ナレーション市原悦子
出典松谷みよ子(講談社刊)より
出典詳細日本の伝説4(松谷みよ子のむかしむかし09),松谷みよ子,講談社,1973年11月20日,原題「猫岳のねこ」,採録地「熊本県」
備考採録地は転載された本(日本の伝説上巻,松谷みよ子,講談社,1975年5月15日)で確認
場所について阿蘇山の根子岳(猫岳)
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地図:阿蘇山の根子岳(猫岳)
追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第24巻-第118話(発刊日:1978年9月18日)
サラ文庫の絵本より猫の祖先が、日本にいつごろやってきたのか、またどうして猫とよばれるようになったかは、はっきりわかっていません。ただ、古い書物によると、九世紀ごろには、いまのように日本にすみついていたようです。いずれにしても、暖かい南方の国からやってきたことはたしかで、それは猫がとても寒がりなことからもよくわかります。さて、猫にまつわる伝説には二種類あって、ひとつは、年老いた猫が、化けて人に危害をくわえるもの、もうひとつは、猫が飼い主に恩をかえすというものです。その二つの要素が、このおはなしには、うまくとりいれられています。ところで、この物語の舞台になった猫岳(根子岳)は、阿蘇山のなかでももっとも古い火口丘といわれていいます。(かっこ枠なし)
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※掲載情報は 2013/10/20 1:52 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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犬派  投稿日時 2021/11/27 10:57
>人間社会の軋轢から解放され、人里離れた山奥でのんびりと温泉に浸かりながらネコとして生きられるとか最高じゃあないっすか…
お話の中でも言われていますが、猫の棟梁にお仕えせねばなりません。のんびり温泉?いえいえ、棟梁のために働いてください。人間に忠告してる所を知られるだけで殺されると言うてますので、失敗すれば殺される事もあるかもしれません。それでもここで猫になりたいですか?
アーリアジャスール2世  投稿日時 2020/8/11 18:36
ゲストさん、そこはやはり『人間のままでいたい』という人間特有の図々しさが出たからではないでしょうか。
ゲスト  投稿日時 2020/8/2 15:35
人間社会の軋轢から解放され、人里離れた山奥でのんびりと温泉に浸かりながらネコとして生きられるとか最高じゃあないっすか…
主人公は一体何が不満で逃げ出したのか、私は理解に苦しみますね
アザヴ  投稿日時 2020/6/6 22:34 | 最終変更
あらすじで 
すれ違った女のところで、旅人が若者になっていますよ。ねこ岳の怪と間違えたのでしょうか。訂正お願いします。
__
ありがとうございました。該当部分を訂正しました。(2020/6/7)
Perenna  投稿日時 2018/11/24 20:23
温泉の水を浴びると猫になるというのはなんだか、高橋留美子の漫画「らんま1/2」を連想させますね。
呪泉郷の猫溺泉みたいものなんでしょうか?
阿蘇山のふもと  投稿日時 2018/7/7 7:19
やっぱ昔から根子岳伝説があったとばいね。遠くから見たらちっと違うもん。
なんさん、『猫が死ぬ時は根子岳に向かって歩くとぞ。』てじいさんがいいよらした。
ばってんうちん母ちゃんな小学生だか中学生だかで鍛錬遠足で根子岳に登らされよったけん何も怖くなかていいよらす笑
ゲスト  投稿日時 2016/12/10 0:12
「能面がやたら怖い猫岳ってどれだったかな」と探していたら、この話でしたね。客室のシーンにおいて、リアルに描写された壁かけ能面と、水木しげる先生みたいな旅人のギャップが殊更不気味さを演出していました。蛾が灯明に燃えて散るのを唖然と見つめる旅人、それがBGM無しというのまた不気味で。旅人が実は「飛んで火にいる夏の虫」という暗示だったのでしょう。前半はホラーで、後半はサスペンスぽかった。しかし、旅館じゃない邸宅に頼み込んで宿泊させてもらった割には、「煙草盆も無か・・・」とぼやく旅人が一番図太い(笑)
ゲスト  投稿日時 2016/2/25 22:07
私と、全く同じことを考えている人がいたことに驚きを禁じ得ません。
ゲスト  投稿日時 2014/8/5 9:51
旅人の顔が水木しげる先生の絵に似てるとずーーっと思ってました
も~やん  投稿日時 2013/12/18 16:59
この話を子供の頃みて依頼
ネコが怖くて怖くてしょうがない。
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