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No.0927
えんこうきょうもん
えんこう経文

放送回:0583-A  放送日:1987年01月24日(昭和62年01月24日)
演出:小原秀一  文芸:沖島勲  美術:田中静恵  作画:小原秀一
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あらすじ

昔ある所に、それはそれは立派な和尚さんがいました。

ある夏の日、馬を小川に入れて洗ってあげる事にしました。すると和尚さんがいない間に、川に住む河童たちが馬を川に引きずり込もうとしました。馬は驚いて、大慌てで寺に逃げ帰っていきました。

和尚さんは、馬の背にしがみついていた一匹の河童を縛り上げ、炎天下の元に放置しました。すっかり干上がった河童は涙を流して命乞いをしたので、和尚さんは河童を許してやりました。頭の皿に水をもらって息を吹き返した河童は、謝るどころか和尚さんにザルを投げつけ、仕返しを誓って川へ帰って行きました。

その夜、河童一族が寺に押しかけ、和尚さんが寝ている間にお寺の中をめちゃめちゃに荒らしました。毎晩毎晩、河童の大群が寺を荒らし続け、ついにご本尊の首を折ってしまいました。

さすがの和尚さんも我慢がならず、千個の小石を村人に集めさせ、七日七晩かけて一つずつ小石に経文を書き続けました。そしてこの小石を河童の住む川へ投げ入れると、河童封じのまじないが効き、河童たちは体がこわばったように動かなくなりました。

河童たちは今度こそ心から詫びて、「炒った豆から芽が出て花が咲いても、決してイタズラはしない」と約束しました。和尚さんは、河童たちが約束を忘れないようにと、炒った豆を川へ撒きいれました。それ以来、河童たちのイタズラもなくなったそうです。

(投稿者: KK  投稿日時 2012-9-30 16:47)


ナレーション市原悦子
出典松岡利夫(未来社刊)より
出典詳細周防・長門の民話 第二集(日本の民話46),松岡利夫,未来社,1969年10月20日,原題「えんこう経文」,採録地「大津郡」,話者「福永カネ」
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※掲載情報は 2012/9/30 18:55 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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もんた  投稿日時 2020/3/11 10:53
かつぱは悪さをします。
ゲスト  投稿日時 2016/1/25 20:41
ちなみに経文が書かれた千個の小石は埋められて塚となって残っているそうです(?)
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