No.0148
あばれえま
あばれ絵馬

放送回:0091-B  放送日:1977年07月02日(昭和52年07月02日)
演出:三輪孝輝  文芸:沖島勲  美術:三輪孝輝  作画:三輪孝輝
群馬県 ) 19260hit
絵馬に描かれた馬が抜け出して、村の田畑を荒し回る

昔、ある山国にお代官様が住んでいました。このお代官の若君が重い病にかかってしまい、村の百姓たちも心から心配していました。

若君を心配したお代官様や家来達は、みんなで相談して東入(ひがしり)の武尊(ほたか)神社にお願いする事にしました。すると若君の病気はメキメキと良くなり、お代官様達は武尊様へのお礼として、日本一の絵師に描かせた立派な馬の絵馬を奉納しました。

しばらくたった秋の夜、村中の百姓たちの田畑が馬に荒らされる大事件が起こりました。困った百姓たちが夜に見張っていると、立派な馬がどこからか現れ、稲を食い荒らし田畑を駆け回りました。百姓たちが逃げる馬を追いかけていくと、その馬は武尊神社に絵馬の中にスッと入っていきました。

あまりに見事に描かれた馬が、不思議な事に絵馬から抜け出していたのです。そこで、絵馬に手綱を書き足してもらい、馬を杭に縛りつけた絵にしてもらいました。それからは、二度と馬が抜け出す事もなくなり、村は再び平和が戻りました。

(紅子 2011-12-11 14:52)


ナレーション市原悦子
出典おのちゅうこう(未来社刊)より
出典詳細上州の民話 第一集(日本の民話20),小野忠孝,未来社,1959年06月30日,原題「あばれ絵馬」,採録地「利根郡」,話者「星野吉朗」
場所について花咲武尊神社(利根郡片品村)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
地図:花咲武尊神社(利根郡片品村)
追加情報
このお話の評価6.0000 6.00 (投票数 6) ⇒投票する
※掲載情報は 2011/12/11 14:52 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 21  件):   <前  1  2  3  4  5  6  7  8  .. 21  次>  
コメント一覧
5件表示 (全5件)
araya  投稿日時 2011/12/12 0:11 | 最終変更
原作は『上州の民話』(小野忠孝,未来社)ですので、群馬県の話になります。また、ヒガシリは「東入」、ホタカは「武尊」と書きますので、絵馬を奉納した先も東入の武尊様のところになります。
そして、東入は利根郡東入地方のことで、会津街道の道標がある白沢村の三叉路から東方面「利根・片品村方面」を指しますので、利根郡片品村の花咲武尊神社が伝説の地かと思われます。
但し、花咲武尊神社は明治期に周辺一帯の30近くある武尊神社を合祀した総鎮守ですので、本当に絵馬があった場所は別のところだったかもしれません。もう少し調査は必要かと思われますが、とりあえず、花咲の武尊神社でポインティングしました。

http://g.co/maps/v2ave (花咲武尊神社)
マニアック  投稿日時 2011/11/7 20:46
神様が、絵馬から馬を出す話のタイトルは、「神社の絵馬」です。
beniko  投稿日時 2011/11/5 19:32 | 最終変更
紅子も前に似てるなーって思ったんだけど、どっちだろうかちょっと思っていました。「書いたものが出てくる系」という同テーマだろうか、、、、あと他に、絵馬が壊れてお産に駆けつけられず困っている神様も、絵馬から馬を出すお話があります。(タイトル失念)
彫ったものが動き出すとして、二人の甚五郎というお話もあります、これは怪しい牛の解決方法と似ているんですが、、、もう少し、整理がいるような気がするけど、いかがでしょう。
yassan  投稿日時 2011/11/5 11:51 | 最終変更
そうですね。3つとも、絵から実物の動物が現れて、田畑を荒らしたり、食べ物を食い荒らすという話の流れは一緒なので、個人的には類似でいけそうな感じがします。
マニアック  投稿日時 2011/11/5 11:30
後の「あやしい牛」「あばれ鹿」に似ている。
投稿ツリー
5件表示 (全5件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

35 人のユーザが現在オンラインです。 (26 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)