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No.1041
わらしことねむのはな
わらしことネムの花

放送回:0656-B  放送日:1988年07月02日(昭和63年07月02日)
演出:上口照人  文芸:沖島勲  美術:渡辺由美  作画:千田幸也
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あらすじ

昔ある村に、「東の長者」と「西の長者」と呼ばれる二人の長者がいました。

東の長者には娘の童(わらし)が、西の長者には男の童がいました。長者たちはたいへん子どもを可愛がっていたので、どこに出かけるにもいつも子供を連れて行きました。しかし、二人の長者が顔をあわせるごとに喧嘩するものだから、いつも子供たちは悲しい思いをしていました。

ある日、東の長者が「夏祭りの前に氏神様を建て直すように」と村人たちに言いつけると、それに負けじと西の長者は「ならば寺を建て直せ」と村人たちに言いつけました。村人たちは田んぼの仕事もあるのに、無理をしてヘトヘトになりながら建築工事を行っていました。

そんな重労働が続く中、長者の子ども達がいなくなりました。二人の長者は血相を変えて、村人と総出であちこち探し回りましたが、日も暮れても子供たちは見つかりませんでした。二人の長者は、山のお地蔵さんに頼もうと山頂まで行ってみると、そこには二人の童が手をつないだまま仲良く眠っていました。

スヤスヤ眠る童たちの寝顔を見ていると、子どもの手にしていた小枝の先に、薄もも色の花が咲きはじめました。みるみるうちにこの花は周辺の木々にも咲きはじめ、あたり一帯が花でいっぱいになりました。

この美しい様子にすっかり心が優しくなった二人の長者は、もう意地の張り合いはやめようと、お互いに仲直りしました。夕方になると可憐な花を咲かるこの木を「ねむの木」と呼び、村のあちこちに植えられるようになりました。

(紅子 2012-9-20 18:38)


ナレーション市原悦子
出典山形のむかし話(日本標準刊)より
出典詳細山形のむかし話(各県のむかし話),山形とんと昔の会、山形県国語教育研究会,日本標準,1978年09月01日,原題「わらしことネムの花」,採録地「置賜」,文「須藤克三」
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※掲載情報は 2012/9/20 18:38 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2016/1/25 20:58
これを見てほっこりしました。
もしかしたら山の地蔵様が二人の長者の仲を良くするために、二人の子供を隠して遊ばせたと考えると今の世の中は世界や日本でもお互いを信用せず、傷つけあい、憎しみあい隣に誰が住んでいるか分からない世の中に人間同士仲良くしてお互い助けあって生きていこうというこの昔話を伝えて平和な世界になれればいいと思う。
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