昔ある所に、いたずら者でひょうきん者の、年老いたカッパが住んでいました。
ある年の田植えの時期、この日はお寺の田植えの日でした。村中の人たちが集まって、朝から夕方にかけて田植えを済ませ、馬を川で洗っていました。すると、馬が突然暴れ出して、驚いた村人たちが馬のしっぽをふと見ると、カッパがぶら下がっていました。
村人たち大勢でカッパを捕まえ「こんな悪いカッパは殺してしまおう」と、相談している所にお寺の和尚さんがやってきました。和尚さんは、村人たちをなだめて、カッパを川に逃がしてあげました。
するとその夜、寝ている和尚さんの所に、助けたカッパがやってきました。助けてくれたお礼にと、高さ一尺ほどの小さな瓶(かめ)を置いて、どこか遠くへ去っていきました。
このカッパのくれた瓶は、不思議な事に中から水の音が聞こえてきました。水の音は、何とも美しく優しく柔らかで、まるで川のせせらぎを聞いているようでした。この水音を聞くと、一日中ニコニコした顔になり心が和らぎ温かくなりました。
この不思議な瓶は、お寺の宝として長い間大切にされました。
(紅子 2013-11-9 0:43)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | クレジット不明 |
備考 | 出典不明で冒頭が聞き取れないため「ある所」としています |
このお話の評価 | 9.00 (投票数 6) ⇒投票する |
⇒ 全スレッド一覧