昭和7年に出版された「最新三重県案内」には一志郡中郷村について、以下のようなことが書かれています。(コマ番号52/118)
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1107076/46「大字釜生田の地伝に曰く、往古神社跡に黄金の釜を埋めり、村民困らば掘るべしと言ひ伝へらるの古蹟等がある。」
また名所として、四十八塚(一志君族の古墳)、六代君墓(平維盛の息六代の潜居した所)、戸井左近墓(北畠の家臣にして、大旱の際、郷村民のため犠牲となった義人)などの墳墓があるそうです。
隣の豊地村にも、郡塚、黄金塚、兄弟塚、八郎塚などの古墳が多いと書かれています。
一志郡中郷村も豊地村も旧・嬉野町にあった地名で、現在は松阪市に編入されています。
松阪市嬉野地区には片野池古墳群や上尾戸古墳群、釜生田古墳群といった多くの古墳群があるらしいです。
この昔話の横塚も、黄金の釜伝説や戦国時代の埋蔵金や古代の古墳などが複雑にからみあって伝承されたものなのかもしれませんね。