この昔話は、昭和8年に出版された「飛騨の伝説と民謡」に収録されています。(コマ番号84/146)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1452420/84?tocOpened=1父親の名は九郎兵衛ではなくて五郎兵衛で、信夫は名も知れぬ人の子を生んだということで両親から勘当され、家から追い出されてしまいます。
信夫は父親の命ずるままに愛しい我が子を振り捨てて、余部の山奥深く姿を隠して二度と再び姿を現わさなかったそうです。
生まれた赤ん坊は女の子で登美と名づけられ、祖父母の手で育てられます。
登美が立派な娘に成長したころ、都から天子様の命令で都に建てる寺の木材を採るため、余部の山中へ多須那という大工がやってきました。
登美は多須那に見こまれてその妻となり、都に上って立派な邸に住み、安楽な生活を送りました。
この夫婦のあいだに生まれた子供は鳥仏師といって、仏像を作ることが殊(こと)のほか巧(たく)みで、父の多須那と共に天子様のお抱え大工として立派な腕前を振るったといわれています。
このアニメはリアルタイムで見たことがあります。
たしか生まれた子供は都にのぼって有名な歌人になった、というような話だったと思ったのですが、ちがっていたのですね(笑)。
地元の伝説では、信夫の生んだ娘の子供が鳥仏師だったらしいです。