http://ginjo.fc2web.com/141ooyamamairi/ooyama_mairi.htmに「落語「大山詣り」の舞台を歩く」と題して大山参りの詳しい情報があります。
捨吉と権兵衛がしょっていた大きな木刀。ありましたよね。
捨吉が『五穀豊穣』権兵衛が『授福除災』の文字の書かれた大きな木刀を持っていたのですが、これって『納太刀』とか『奉納太刀』っていうのだそうです。
かつて大山参りをするにはこれを奉納する習慣があり、当時は木太刀の大きさを競っていたといいます。これは大山石尊の御神体が大石(石剣)であることから、自分の願いを祈るため、昔、武士たちが大事な刀を奉納したのがもとになっているのだそうです。
このように、大山信仰はもと武士階級からはじまりましたが、のち庶民の信仰になるにつれ、刀剣が木太刀に変わったものらしいです。
数百年にわたって奉納された刀剣が一時はおびただしい数にのぼっていましたが、戦時中の物資の供出でなくなってしまったそうです。
この木刀の納太刀にも銘がはいっていて、小さいものは七~八寸(21~24センチくらい)、大きいものはおとなの身長の2倍以上も あり「大願成就」「大山石尊大権現」などと書いて、道中をかついできて、神前に納め、かわりに他人が納めた木太刀を持ち帰りお守りにしたといいます。
このしきたりは浮世絵などにも描かれています。明治時代になり鉄 道が走ってからは、大きな木太刀を車内に持ち込まれ、振り回されては危なくてしょうがない!!ということでそのため車内持ち込み禁止になりいつか納太刀奉納の習慣はなくなっていったということです。