Re:罪は消えません
投稿者:リサ 投稿日時 2013/4/24 21:28
平吉は事件を起こし、
博多の町を離れ僧侶になるまでの間、
素性を隠し見知らぬ町で身を潜め
過去から逃げ続ける日々を
過ごしてきたことでしょう。
後にどこかの寺院の高僧の慈悲に触れ
仏門に入り、謝罪の日々を過ごしてきました。
事件から半世紀が経ち、
己の過去と向き合い
女性と狸の菩提を弔うために
あの問題の寺に行ったのです。
実名を伏せた上で自分の過去を話した
平吉の流した涙は殺めた女性と狸への謝罪、
後悔と自責の言葉だけでは片づけられない
様々な思いが秘められた涙だったのでしょう。
過去を話しても、菩提を弔っても
平吉の犯した罪は消えません。
命が潰えるまで謝罪の日々は続くのです。
盲目の女性と狸は天国で平吉の命が潰えるまで
彼の行動を厳しく見守っていると思います。