Re: 牛鬼

牛鬼 についてのコメント&レビュー投稿
島根のある漁村に隠棲する侍の夫婦があった。妻の方はとても出来た人で、「俺は侍を捨てた身だ」とうそぶく夫を支え、愚痴をこぼさず仕えていた。   村人も侍には親切で、獲れ...…全文を見る

Re: 牛鬼

投稿者:Perenna 投稿日時 2021/12/2 22:34
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この昔話は、角川書店「出雲・石見の伝説」でも紹介されています。

「さて、石見を代表する妖怪に牛鬼というのがある。頭が牛で一本の角があり、体は鬼の形で日中は姿を見せず、海の中から夜、女などに姿を変えて現われると考えられており、海岸部沿いにこの伝えが多く見られる。
昔、浅利町に森山玄蔵という夜釣りの大好きな神主がいた。ある日、いつものように夜釣りに行くと、釣れるとも釣れるとも、不思議なくらいよく魚が釣れた。気づいて見ると、波の上に赤ん坊を抱いた濡れ女が立っているではないか。瞬間、彼は“牛鬼!”と気づき逃げようとすると、女は海の上を歩いてきて「この子に魚を一匹ください」と泣くように言う。彼は言われるままに魚を手渡し、わが家へ懸命に走ると、女は追ってきて「もう一匹ください」と言う。次々と魚を渡して行くうちに、今度は「この子を抱いて」と頼む。魔性に魅入られたように受けとると非常に重く、しかも赤ん坊は胸にしがみついて離れない。女はにたりと笑い、スーッと消えてしまった。彼は赤ん坊を抱いたまま、それでも必死でわが家へ向かっていると、正体を表わした牛鬼が迫ってくるではないか。
一方、家では玄蔵の守り刀がひとりでにガタガタ揺れはじめた。気になって女房が戸を開けると、刀身は鞘(さや)から抜け出し、矢のように外へ飛んで行き、牛鬼の頭に突き刺さった。すさまじいうめき声とともに牛鬼は倒れ、今まで彼から離れなかった赤ん坊がストンと岩の上に転がり落ちた。玄蔵は危ないところを助かった。
翌朝、一同がそこへ行ってみると、岩の上は血糊(ちのり)で染まっていた。そして以後、ここらあたりでは、牛鬼は二度と出なくなったという。」

この昔話は場所によって、主人公が神主だったり武士だったり、職業が異なって伝えられているみたいですね。
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