Re: おさん狐

おさん狐 についてのコメント&レビュー投稿
昔、豊後国の小野瀬の河原に、おさんという古ぎつねが住んでいました。おさん狐は、それはそれは化け上手で特に若い娘に化けるのが上手でした。村の若者もキツネと分かっていながら...…全文を見る

Re: おさん狐

投稿者:日清皿太夫 投稿日時 2021/10/9 1:07
 何と言っても市原悦子さんの演技力無しには成立しない話。うらぶれ方への豹変・哀しみの隠し方・色気のどれも物凄い。最近某所で聴いた昭和46年NHKのラジオドラマ『イグドラジルの樹』ではもっとう~んと妖艶な市原さんの名演が込められています。映画やTVドラマではこんな表情は起用してくれなかった。《不世出》という表現が思い浮かびました。

 得体の知れない酒、朝焼けに輝くススキの穂、涙ながらに女が語る悲恋話にしたって、どこまでがキツネの術中なのか判らず、キツネに邪心が無くてもいたずらで旅人の反応を見ているかも知れない。腹を探りあいながら虚構を本当の話にしてしまう演者二人の演技もすっかり物語の一部。同日放送された同じ監督・同じ美術担当による「青と赤の天狗さん」は天狗の悪意無きボケとツッコミという遣り取りが旅人とキツネのそれに近く、痛みを赤天狗が素直に訴えるなど本作と表裏の話にも思えます(笑)

 ススキが原は杉井Dと馬郡美保子さんも参加した三年後の映画『銀河鉄道の夜』ではスケールアップして出て来ますね。
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