Re: かくれ里のふしぎ
投稿者:Perenna 投稿日時 2020/11/13 23:11
この昔話の元ネタは、佐々木喜善の著した「和賀郡昔話」に収録されている「赤沢山の山女の話」らしいですね。
「和賀郡昔話」にはもうひとつ「隠里に行った人の話」というものがあるので、辺見じゅんは、このふたつの話をもとに「かくれ里のふしぎ」を書いたのではないでしょうか?
「太田村、西山の奥に赤沢といふ所がある。黄金があると言って、昔此沢に草分(くさわけ)といふ業をいとなむ者二人あった。彼等二人は金の有所を尋ねようと山奥深く分け入ったのだ。」という書き出しで始まっています。
さらに、この昔話の出典は「東奥古伝(一名吾妻昔物語)巻三、第十一話」と書かれています。
また、この話の結末は次のように書かれています。
「あの女共はあんなに美しいがきっと魔性のものに相違ない。この金があったらなにしに二度と山へなぞ帰らう、恐しいことだと語り合ひつゝ来ると荷がひどく軽くなった。家へかへって下して見ると黄金はただの赤土になってゐた。その後両人は山へ引き返して行って彼女達を求めたけれどももう二度と逢はれなかった。それからは何んだか知らぬが此の山中には人の叫声が折々するやうになった。」
アニメでは描かれていませんが、山の中から人の叫び声が聞こえてくるようになった、という結末がなんとなく恐怖を感じさせますね。