Re: 龍の淵

龍の淵 についてのコメント&レビュー投稿
日向国の米良(めら)の庄に漆取りの兄弟がいた。兄が漆の木を探して山の中を歩いていると、気味の悪い淵に出た。兄はうっかり鉈を淵に落としてしまい、淵に潜って探しているうちに...…全文を見る

Re: 龍の淵

投稿者:mitsuzakura 投稿日時 2011/12/10 19:37
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「龍の淵」ですが、youtubeのコメント欄によると、国語の教科書に収録されていてよく知られたお話とのことでした。伝説は広く全国に伝播しているようです。日向の国、米良の庄とあるので、そこにもやはり伝説の舞台となる淵があるのかもしれません。


以下余談。

「島根の伝説」(日本標準)でも全く同じ粗筋のお話が収録されています。「頼太水(よりたみず)」という島根県安来市(能義郡広瀬町)の伝説で、こちらでは雄渕・雌渕の二つの渕があったとされています。ちなみに現在はダム湖に水没してしまったそうです。

「日本伝説大系 第11巻 山陰(鳥取・島根)」(野村純一他, みずうみ書房, 1984)でもこの「頼太水」の類話が幾つか収録されています。

頼太水は寛永十二年もしくは享保十二年の大洪水を指すそうなのですが、考えるに、漆採りの兄弟の話が無くても、広瀬町に雄渕・雌渕の二つの渕があって、江戸時代に大洪水が起きた、これだけで伝説が成り立つのではないかと思うのです。

漆採りの兄弟の話は洪水のきっかけを説明したお話となるのですが、これは後から付け加えられたのではないかという推測です。

以上のことは「まんが日本昔ばなし」の「龍の淵」を見て思ったことです。島根のお話だと思っていたら、他所にも全く同じ話が伝播していた。広瀬町の雄渕・雌渕は今ではダム湖の底に沈んでいるという、写真も載せられていて非常に説得力があったので、驚いた次第です。

「日本伝説大系」では参考として福井県福井市の伝説も紹介しています。出典は『越前若狭の伝説』とあります。漆にまつわる伝説なので漆芸の盛んな北陸を挙げたのではないかと思います。
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