ある所に、お金持ちの男と貧乏な男が隣同士に住んでいました。
お金持ちの男はいつも豪勢な食事をしていて、貧乏な男は白ごはんに梅干1つという貧しい生活でした。お金持ちの男は、とんでもないケチでお金の執着が強い男だった。
ある日、お金持ちの男が鯛を焼いていたら、隣の貧乏の男が鯛の美味しい匂いを嗅ぎながらご飯を食べようとしていた。お金持ちの男は、匂いを嗅いだから「お金を払え」と言い出した。
結局、奉行の裁きの前でお金を払うことになった。貧乏な男は、巾着に手を入れて『チャリチャリ』とお金の音だけを聴かせて、形のない匂いには形のない音で支払いました。
お金があっても知恵には勝てないというお話でした。
(投稿者: とのむら 投稿日時 2012-7-1 9:32)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 大山北麓の昔話より |
出典詳細 | 大山北麓の昔話(昔話研究資料叢書 第04巻),稲田浩二・福田晃,三弥井書店,1970年04月25日,原題「匂いの返し」 |
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