昔、大賀茂(おおがも)の村に、親孝行な太助という男の子が母親と二人で暮らしていました。
ある日太助は、どんぐりのお告げで、食欲をなくした母親のために豆腐を買いに行くことにしました。「あずき峠」を通り抜け下田の町で豆腐を買った太助は、その帰り道に先ほどのどんぐりから「困ったときに使いなさい」と、不思議な徳利(とっくり)をもらいました。
太助は、日が暮れた頃に家に帰りつきましたが、母親が太助を心配してあずき峠まで探しに行った事を知りました。この頃のあずき峠は、夜になると人喰い鬼がでる危険な峠でした。太助が大急ぎで峠に駆けつけると、まさに人喰い鬼が母親に襲いかかろうとしていました。
そこで太助は、どんぐりからもらった徳利の栓を抜いてみると、大きな鬼の体がすっぽりと徳利の中に吸い込まれていきました。母親の無事を喜んだ太助は、鬼の入った徳利をあずき峠の土深く埋めました。それからというもの、大賀茂の人たちは安心してあずき峠を行き来できるようになったそうです。
(紅子 2011-10-27 22:08)
ナレーション | 未見のため不明 |
出典 | クレジット不明 |
備考 | 国際情報社の絵本によると静岡県のお話 |
場所について | あずき峠(地図は適当) |
本の情報 | 国際情報社BOX絵本パート2-第073巻(発刊日:1980年かも)/講談社テレビ名作えほん第064巻(発刊日:1986年11月) |
講談社の300より | 書籍によると「静岡県のお話」 |
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