このお話に投票する
  • 各お話への投票は一度だけにお願いします。
  • 評価は 1 から 10 までです。(1が最低、10が最高)
  • 客観的な評価をお願いします。点数が1か10のみだと順位付けの意味がありません。
  • サイト管理人は各お話に投票できません。
  

No.0378
いずみちょうじゃ
泉長者

放送回:0236-A  放送日:1980年05月10日(昭和55年05月10日)
演出:堀口忠彦  文芸:沖島勲  美術:あかばんてん  作画:堀口忠彦
山口県 ) 16695hit
あらすじ

昔々、山口県佐波郡に太郎と花という貧しいが信心深い夫婦が住んでおった。

ある陽気の良い日、太郎は野良仕事の合間に眠ってしもうた。そうして不思議な夢を見た。夢の中でどこからか漂ってくる良い匂いに誘われて、太郎が歩いて行くと、小さな洞穴があってその奥に泉が湧いておった。太郎が泉の水を飲んでみると、それは大層旨い酒じゃったそうな。

しばらくして太郎が目を覚ますと、太郎の顔は赤らみ息は酒臭くなっておった。そこで太郎が夢のとおりに歩いていくと、洞穴があって、夢のとおりに酒の泉が湧いておった。これは如来様からのお告げじゃと、夫婦は喜んで泉の酒で小さな酒屋をひらいた。すると、その酒の美味しさは評判になり、たちまち中国地方一の酒屋になったそうな。それで、太郎は名前を左衛門太郎(さえもんたろう)と改め、何不自由ない暮らしを送るようになった。

そうして次に夫婦は、如歳様に子宝に恵まれるよう祈ったそうじゃ。すると、やがて玉のような女の子が生まれた。夫婦は如来様のお堂がユリの名所だったので、女の子に「ゆり」と名付け大切に育てた。ゆりは名前のとおりに、白百合のように美しく豊かな娘に育っていった。

ところが、やがて太郎は自分達に「位」が欠けていることに気が付いた。そこで太郎は、都の大臣に使者を送り、夫婦の一番の宝である娘と引き換えに、長者の号を得ることにした。こうして夫婦は娘を大臣に差し出し、長者になって、欲しいものを全て手に入れたという。

じゃが、長い年月が経つうちに夫婦は娘がいない寂しさに耐えかね、重い病にかかって相次いでこの世を去っていった。都から駆けつけた娘は両親の死を悲しみ、二人が信心した如来様のために立派なお堂を建立したそうな。

夫婦が見つけた泉は二人が亡くなってから急に涸れ、今ではなくなってしもうた。じゃが、この夫婦のことは今でも泉長者として語り継がれている。

(投稿者:ニャコディ 投稿日時 2014/5/6 15:31)


参考URL(1)
http://yicin.web.fc2.com/essei/tokujis.html#24
ナレーション市原悦子
出典松岡利夫(未来社刊)より
出典詳細周防・長門の民話 第一集(日本の民話29),松岡利夫,未来社,1960年09月14日,原題「泉長者」,採録地「佐波郡」,話者「上田キク、山村権一、向井ハル、鳥飼寅太」
場所について泉長者が子授けを願った洞海寺
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
追加情報
9.0000 9.00 (投票数 6) ⇒投票する
※掲載情報は 2014/5/6 21:44 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

30 人のユーザが現在オンラインです。 (23 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)