竹取りのお爺さんが山で竹をとっていると、一本の竹が金色に光っているのを見かけた。その竹を切ってみると中に小さな女の子が座っていた。おじいさんはこれは神様からの授かりものに違いないと言って、家に連れて帰り、かぐや姫と名付けて育てることにした。
その日からお爺さんが山へ竹を取りに行くといつも金色に輝く竹があり、その中にはたくさんの黄金があり、おじいさんはお金持ちになった。三ヶ月ほどでかぐや姫は美しい娘に成長した。その噂は広まり、結婚の申し込みが殺到したが、かぐや姫は無理な注文をして諦めさせようとした。
やがて十五夜が近づくと、かぐや姫はおじいさんに、自分は月の都の者で、八月十五夜に月から迎えがやって来るとうち明けた。お爺さんは十五夜の日にたくさんの侍を雇ってかぐや姫を守ろうとした。しかし月の使者がやってくると侍達は全く動けなくなってしまった。かぐや姫はお爺さんに命の袋を渡して別れを告げ、月の使者とともに月の都へと帰っていった。
お爺さんはかぐや姫からもらった命の薬を、「おまえがいないのに長生きしてもしかたがない」と言って火の中にくべてしまった。
(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 5:59 )
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | (表記なし) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第4巻-第016話(発刊日:1976年7月20日)/童音社BOX絵本_第02巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第031巻(発刊日:1980年かも)/二見書房まんが日本昔ばなし第1巻-第01話(発刊日:2005年10月17日)/講談社デラックス版まんが日本昔ばなし第08巻(絵本発刊日:1984年10月15日)/講談社テレビ名作えほん第002巻(発刊日:1977年5月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説には地名の明記はない |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「京都の昔ばなし」 |
講談社のデラックス版絵本より | 原話は平安時代に書かれた「竹取物語」で、天上界の女性が地上に降り、ふたたび天上界へと帰って行くという登天説話のひとつです。「かぐや姫」に似た話は、日本以外の国にもいくつかあります。神の住む天上界へのあこがれと恐れとがないまぜになって、このような話が世界各地で生まれたのでしょうか。十五夜の晩に月からの使者がやってきて、人々の抵抗もむなしく、かぐや姫をのせた車は、月の中へと消えていきます。静かな月の明るさをじっと見つめていると、そこにはいまでもかぐや姫が住んでいそうな気が、ふっとしてきます。(京都地方の昔ばなし) |
講談社の300より | 書籍には地名の明記はない |
レコードの解説より | LPレコードの解説によると「静岡地方の昔ばなし」 |
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