昔、安珍という若いお坊さんが、熊野大社(くまのたいしゃ)へお参りする途中、庄屋さんの家に一晩泊めてもらった。庄屋さんの一人娘の清姫と出会い、二人とも強く心惹かれあった。安珍は、「熊野大社からの帰りに、必ずまた立ち寄るから」と、言い残して庄屋の家を出発した。
しかし、到着した熊野大社の僧侶に心の迷いを見抜かれ、目を覚ませと諭された。修業中の身であった安珍は改心し、清姫と会わないよう帰り道とはちがう道を帰る事にした。清姫はそんな事とはつゆしらず、安珍の帰りを待ちわびて、見知らぬ旅人に声をかけた。「あの、もし。熊野詣からの帰りの、若いお坊さまにお会いになりはしませんでしたか?」
別の道で帰ったと知った清姫は、わけがわからず混乱しながらも必死に安珍を追いかけた。日高川を船で渡る安珍を見つけたが、清姫は日高川で溺れてしまった。清姫は、赤い火を吐く恐ろしい大蛇の姿に変化し、さらに安珍を追い続けた。
安珍は必死の思いで道成寺(どうじょうじ)に逃げ込み、釣鐘(つりがね)の中に隠れた。大蛇になった清姫は、安珍の隠れた釣鐘に体を巻きつけ、真っ赤な炎を吐き続けて、とうとう安珍を焼き殺してしまった。
(紅子 2011-8-28 20:59)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | (表記なし) |
DVD情報 | DVD-BOX第3集(DVD第12巻) |
VHS情報 | VHS-BOX第6集(VHS第57巻) |
現地・関連 | お話に関する現地関連情報はこちら |
場所について | 道成寺(どうじょうじ) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第22巻-第109話(発刊日:1978年3月20日)/国際情報社BOX絵本パート2-第062巻(発刊日:1980年かも)/講談社テレビ名作えほん第036巻(発刊日:1981年1月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説によると「道成寺の伝説」 |
講談社の300より | 書籍によると「和歌山県のお話」 |
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