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No.1125
やがらのふえふき
矢柄の笛ふき

放送回:0710-A  放送日:1989年08月05日(平成01年08月05日)
演出:若林常夫  文芸:沖島勲  美術:門屋達郎  作画:若林常夫
三重県 ) 14027hit
矢柄とトビウオが今のような魚となった由来

昔、伊勢の海には矢柄(ヤガラ)というたいそう笛の上手い魚がいた。矢柄が海の上に出て自慢の笛を吹くと、海中の魚や貝は泳ぐのを止め笛の音に聞き惚れたという。またこの海にはトビウオもおり、悪戯好きなトビウオは自慢の長い胸鰭を広げ他の魚を驚かせては喜んでいた。

ある日もっと大きな悪戯をしたいと思ったトビウオは矢柄の巣穴を訪れ、気の弱いイワシを脅かすためイワシの好きな笛の節回しでイワシを集めて欲しいと矢柄に頼んだ。矢柄もそれは面白そうだと頼みを引き受けてくれたので、トビウオは大喜びし早速支度にとりかかった。

そうして次の日、矢柄の吹く美しい笛の音が流れ始めるとトビウオと矢柄の思惑通り、笛の音にイワシ達が次々と矢柄の側に集まってきた。イワシ達はしばらく矢柄の吹く笛の音にうっとりと聞き入っていたが、イワシ達の下を黒い影が通り過ぎたかと思うと突然、海藻や貝殻を被り化け物に扮したトビウオが目の前に飛び 出してきたのである。

これにびっくり仰天したイワシ達は、あまりの驚きに海水と一緒に矢柄も巻き込み群れごと飛び上がった。ところがその 拍子に矢柄の笛が矢柄の口から体の中へとすっぽり入ってしまい、トビウオも動転したイワシ達の凄まじさに驚かすどころか逆に驚かされ、恐ろしくなったトビウオは海の上を飛び跳ねながら逃げ出してしまった。

それ以来トビウオは自分のした悪戯のせいですっかり臆病な性格になり、今のように海を飛び出しては鳥に狙われるようになったのもこうした理由があるからだという。矢柄はその後笛をなんとか吐き出せたものの長くなった口と体は元に戻らなくな り、この時から矢柄はまたの名を、その形が笛のようなので「笛吹き」とも呼ばれるようになったという。

(投稿者: お伽切草  投稿日時 2013-2-12 2:36)


参考URL(1)
http://www.city.owase.lg.jp/contents_detail.php?frmId=8703
参考URL(2)
http://blog.localblog.jp/kouchan/kiji/443.html
ナレーション常田富士男
出典三重のむかし話(日本標準刊)より
出典詳細三重のむかし話(各県のむかし話),三重県小学校国語教育研究会,日本標準,1977年08月01日,原題「矢柄の笛ふき」,採録地「津市津興」,話者「黒田音吉」,再話「倉田正邦」
場所について三重県の尾鷲湾
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※掲載情報は 2013/2/12 9:56 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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