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昔、富山の朝日町に「おせん」という、7歳のみなしごの娘がいました。おせんは歌が好きな娘で、おせんが透き通った声で歌えば、村人たちは仕事の手を休めて聞き惚れました。おせんは...
森羅万象すべてのことに感謝して生きている爺さまが主人公。どんなことにもいつも手を合わせ、「ありがたやぁ、ありがたやぁ」とつぶやくのが口癖なのです。石につまづいて転んでも...
ある村のお婆さんは、仏様を拝まず鬼を拝んでいたから閻魔様にけしからん!と怒られて、地獄に落とされてしまう。おばあさんは閻魔大王のところへ向かう途中で、鬼達と出会い、ばあ...
昔、重兵衛という大変信心深い男がいた。重兵衛の畑の近くには、肩を寄せ合うように並んでいる地蔵さまがあり、毎日重兵衛はその地蔵さまを拝んでから畑に行くことが日課だった。そ...
昔、あるところに大きな川が流れていて、その川の淵になった所に河童が住んでいた。この河童には妻も子も居たのだが、数年前に悪い風邪が流行った時に相次いで他界していた。今は年...
昔、ある村の大きなお屋敷の台所での話です。とっぷりと夜も更け、台所の野菜たちもみんな静かに眠っていました。やがて壁の穴からネズミが出てきて、ザルの中の里芋を一つ蹴っ飛ば...
昔ある山里に、塩を売り歩く商人が居た。商人は常々、海から山までの往復という苦労の割には儲けが少ない事を嘆いていた。ある日、商人は山の中で塩を見つけて喜んだが、舐めてみる...
山に何日も雪が降り続き、食べ物がなくて、腹の空かせた狐が里に降りてきた。そこでかわうそに出会い、魚をとる方法を教えて貰う。しかしかわうそは狐を騙そうとして嘘を教えること...
若い時の弥助(やすけ)は、木こりでした。ある時、見知らぬ女が弥助の所へ「明日、谷にある柳を切らないで下さい」と、頼みにやってきました。仲間の通夜に参列してすっかり酔っ払...
庄川のほとり、須磨の里に徳平という若者と母親が住んでいた。ある日、よもぎ川のほとりで、立派なマスを釣り上げた子供たちと出会った。そのマスがあまりにも美しかったので、徳平...
昔々、ある山の峠に1人のきれいな娘が住んでいた。この娘、身寄りがなく、たった1人で峠のそば屋を営んでいた。ある日のこと、にわかに雲行きがあやしくなり、やがて雷とともに大...
昔ある所にたくさんの使用人をかかえた大きな商家があった。大変繁盛している商家であったが、この商家の主人は物を大切にせずすぐに捨ててしまう癖がありました。やがて使用人にも...
むかしむかし、山深いある在所に何人もの木挽きがおった。木挽きは、大きな木を切り倒し鋸で切って家を建てる材木にする仕事で、大変力がいった。その中に、「たかごし」の与左衛門...
むかしむかし、越中の小川寺村(おがわじむら)の近くに金持ちの長者がおった。この長者は村人達に五倍の利息で金を貸し、病人も子供からも容赦なく取り立てるという物凄い欲張りじ...
あるところに怠け者の嫁がいた。ものすごいぐうたらな嫁で、家事は一切していなかった。飯も作らないので、いつも近くの実家から飯をもらっていた。けれど、茶碗に入れてもらってき...
むかしむかし、ある貧しい村に古い寺があって、その境内に大きな杉の木が立っておった。ある年、この寺を新しく建て直そうという話になり村人達は集まって相談した。そうして、境内...
昔、富山県の上平村(かみたいらむら)では、それは見事な赤かぶら(赤かぶ)がとれた。そのおいしさは評判で、お城のお殿様もこの赤かぶらが大好物。そこでお殿様は、毎年秋に、村...
昔ある所にじいさんとばあさんが住んでいた。ある日2人が縁側でうたた寝をしていると、縁側の下から一本の竹の子が生えてきた。その竹の子はそれからグングン伸び続け、やがて天ま...
昔々、ある所に働き者の豆腐の若者が住んでおった。豆腐の若者は色白で、マメ(元気)で、男前であったので、大根の娘っこも、ごぼうの娘っこも、にんじんの娘っこも、そして子持ち...
昔、越中の平村に、母親思いの仲の良い姉妹が病気の母親と三人で暮らしておりました。二人の父親は早くに亡くなっていて、白山権現様を信仰する信心深い母親は一人で二人で娘を育て...
富山県小矢部というところの、峰村(みねむら)でのお話。この村には大きな一本の杉の木があり、子供が大好きな天狗が住んでいた。この村の夫婦は喧嘩が激しく、子供たちも不安にな...
昔ある村に、グズという兄とダブという弟が、両親と一緒に暮らしていました。今日はお坊さんがやってくるという日、忙しくしていた母親が、グズとダブにお手伝いを言いつけました。...
昔、越中の白萩という所に大変裕福で腕も立つ鍛冶屋が住んでいた。この鍛冶屋には大事に育て上げた綺麗な娘がおり、娘が年頃になると鍛冶屋はどこかに良い婿はいないかと娘に相応し...
昔、富山の下立(おりたて)村にどえらい長者がいた。何百反もの田畑に米蔵酒蔵宝の蔵を七つづつ持ち、何十頭もの牛や馬、それに何百人もの使用人を使って、城のような屋敷に住んで...
昔、ある夏のこと、日照りが何日も続いて水がなくなってしまった。山鳩と蜂のハチ太郎も一緒に水を探していたが、水はどこにもなかった。二匹が疲れて休んでいると、どこからともな...
むかし、富山県平村の横びらと言う所に、1本松が立っていて、この木には酒の大好きな天狗さまが住んでいた。この天狗さま、酒を持った人が通りかかると、「おい、わしじゃ、わしじゃ...
藤四郎という百姓の家のお婆さんが山の池の近くを通った時、池で美しい娘が髪を洗っていた。お婆さんが木の陰に隠れて様子を見ていると、娘がそれに気付いた。するとその瞬間、黒雲...
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