昔、丹波の山奥の村に、馬でも牛でも一飲みにしてしまう大きなオロチ(大蛇)が住んでいました。しかもこのオロチは、夏になると田んぼの水を全部飲み干してしまい、村人たちは米が作れず困ってしまいました。
そこで村人たちは、大勢で山のてっぺんに登って火を燃やし、みんなで雨乞いをしました。しかし山の頂上と思っていた所は、寝ているオロチの背中でした。村人は気が付かずオロチの背中の上でどんどん火を焚いたので、オロチは背中に大やけどを負ってしまいました。
目を覚ましたオロチは痛くて痛くて、やけどを冷やそうと口から水を全部吐き出して背中に吹きかけました。夏の間、オロチは火傷に毎日毎日水を吹き続けたので、それが村では夕立になりました。秋になっても少しずつ口から水を吹き続け、それが霧になりました。
この霧は、丹波の山や里をすっぽり包むようになり、そんなわけで丹波の秋は霧が深くなりました。オロチはというと、これに懲りて二度と里に下りてこなくなったといそうです。
(紅子 2011-12-24 23:05)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | クレジット不明 |
出典詳細 | アニメはタイトル無しで出典不明ですが、『京都のむかし話』によると採録地は丹波との事。 |
場所について | 丹波の奥山(地図は適当) |
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