トップページ >  お話データベース >  中部地方 >  山梨県 >  両足八足大足二足
No.0984
りょうあしはっそくおおあしにそく
両足八足大足二足
高ヒット
放送回:0620-B  放送日:1987年10月17日(昭和62年10月17日)
演出:三輪孝輝  文芸:沖島勲  美術:三輪孝輝  作画:三輪孝輝
写真あり / 山梨県 ) 29412hit
あらすじ

昔ある所に寺があり、和尚と小僧が住んでいた。

ある夜2人が夜のおつとめをしていると、突然大入道が入って来て和尚さんに「両足八足大足ニ足これいかに」と問答をしかけた。和尚さんが答えられずにいると大入道は和尚さんの首を切って殺してしまった。小僧は恐ろしくて逃げ出し、村の名主の家まで逃げてきた。

首を切られた和尚さんの弔いをすませた村人は、都から偉い坊さまを呼び、化け物を退治してくれるよう頼んだ。しかし、また大入道が現れて都の坊さまに問答をしかけた。だが坊さまは 答えられず、大入道に首を切られて死んでしまった。

その後幾人かの坊さまが寺に住んだが、皆その夜の内に首を切られて死んでしまった。こうしてこの寺は化け物が出ると言われ、誰も寄り付かなくなってしまった。

そんなある夜、一人の旅の雲水が名主の家に泊まり、この化け物の話を聞いた。そして小僧が逃げる時入道が横走りに追い掛けて来たことを聞くと「わかりました、私のお任せ下さい」と言って、その夜寺に泊まった。

そして夜遅く、あの大入道がまた寺にやって来て問答をしかけた。「横這い自在やいかに」と聞くと雲水は「泡を吹いては子だくさん」と答えた。すると大入道は驚いて「両目天をさすとはいかに」と聞いた。雲水は「湯につかれば赤くなる」と答えた。

大入道は怒った顔をして「両足発足大足ニ足これいかに」と聞いた。雲水は少し考えて「水の潜れば地にも這う」と答えた。そして「汝に問え!たわけ者め!」と言い「喝!」と声をかけた。すると大入道はたちまち大きなカニに変わり、はさみを振り上げて雲水に襲い掛かった。

雲水はカニのはさみをかわし、持って来た斧を振り下ろした。大カニはすごい声をあげてどこかへ逃げていった。翌朝、村人と名主が寺にやって来て、雲水は訳を聞いた。雲水と村人が血の後を辿っていくと、川べりに大きな洞穴が空いており、そこに大きなカニが死んでいた。雲水と村人はその穴を埋めカニの弔いをした。

そして雲水はまた旅に出て、やがて修行を積んで帰り、この寺の住職となった。

(引用/まんが日本昔ばなし大辞典)


参考URL(1)
http://design-archive.pref.yamanashi.jp/oldtale/2533.html
ナレーション常田富士男
出典山梨のむかし話(日本標準刊)より
出典詳細山梨のむかし話(各県のむかし話),山梨国語教育研究会,日本標準,1975年06月10日,原題「両足八足大足二足」
備考舞台は蟹沢村の長源寺、寺の近くの坂を「蟹追い坂」というそうです。
現地・関連お話に関する現地関連情報はこちら
場所について長源寺(山梨県山梨市万力)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
地図:長源寺(山梨県山梨市万力)
追加情報
このお話の評価9.5000 9.50 (投票数 6) ⇒投票する
※掲載情報は 2011/2/11 22:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 30  件):   <前  1 ..  15  16  17  18  19  20  21  .. 30  次>  
コメント一覧
7件表示 (全7件)
ゲスト  投稿日時 2022/2/25 17:06
長い題名ですね。ー
光戦隊マスクマン(やめろ!やめるんだ!)  投稿日時 2022/1/6 18:03
マンガ日本昔話(1976年版)(キツネとニワトリ 、両足八足大足二足)
(1987年10月17日(土)放送)(第620話)
トップガン(ファミコン版)
魔獣の王国
鳥越亮佑  投稿日時 2022/1/6 17:22
マンガ日本昔話(1976年版)(キツネとニワトリ 、両足八足大足二足)
(1987年10月17日(土)放送)
トップガン(ファミコン版)
魔獣の王国
ゲスト  投稿日時 2016/2/12 12:02
蟹・僧侶では見つからず、「長源寺」でたどり着きましたw
昔ばなし大好き  投稿日時 2014/11/2 9:17
ふるさと再生昔ばなしでは「蟹問答」として放映されました。
のりくん  投稿日時 2012/7/2 9:28
長源寺に質問してみました。

お話のラストで今も長源寺には蟹の甲羅があると書いてありましたが、実際に見ることは出来ますか?
また蟹が住んでいたという沼はまだ長源寺の裏にありますか?



ご質問の件ですが、蟹の甲羅はお寺にはありません。
先住やその前の代の住職も見た事はないそうであったのかどうか定かではありません。

年配の檀家さんに聞くと、昔、見たという話を聞いた事があるという事ではあるのですが
話の当人は既に亡くなっており確証は得られませんでした。

お寺には表、裏庭にそれぞれ池がありますが沼という程、大きいものではありません。

蟹の逃げたという沢も20数年前に工事が行われ面影は無くなっております。
昔はうっそうとしていて確かに怪しげな場所であった事を子供の頃の記憶ですが覚えております。

以上、ご期待に沿うような返答が出来ず申し訳ありませんが取り急ぎ返信まで申し上げます。

長源寺 住職

araya  投稿日時 2011/12/9 19:33
舞台は山梨県山梨市万力にある「長源寺」っすね。どうせなら、台本も「こはいかに(怖い蟹)」って問答すればよかったのに(^Д^)。

http://g.co/maps/a6qcr
紹介サイト http://b-spot.seesaa.net/article/41579994.html
投稿ツリー
7件表示 (全7件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

69 人のユーザが現在オンラインです。 (27 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)