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No.0883
わかいのがすきなばあさま
若いのが好きな婆さま

放送回:0556-A  放送日:1986年07月12日(昭和61年07月12日)
演出:塚田洋子  文芸:沖島勲  美術:田中静恵  作画:塚田洋子
福岡県 ) 7819hit
あらすじ

昔、福岡県のある村に水車小屋があって、じい様とばあ様が暮らしておった。

じい様は近くの田畑を耕し、ばあ様は水車小屋を使って、コメや麦を精米する人たちの相手をして暮らしておった。ばあ様はお春と言って60歳になるが、「若い」と言われるとうれしくなり、気前がよくなってしまう。

水車小屋を借りに来た人たちは、そのお礼として精米された米や麦を少し置いておくことになっているのだが、「若い」と持ち上げられるとお春ばあさんはお礼を受け取らないどころか、じい様が作った野菜までも分け与えてしまうのであった。それでじい様はよく、お春ばあさんを諭していた。

ある日、この村に柿売りがやって来た。柿売りはまず、お春ばあさんの水車小屋に柿を買ってほしいとやって来た。お春ばあさんはいつもの通りに「自分がいくつに見えるか」と、柿売りに問いかけた。正直な柿売りは見たまま「60歳くらいに見える」と答えた。

それを聞いたお春ばあさんは怒り出し、「柿など買ってやるか!」と、柿売りを追い出してしまった。 お春ばあさんの水車小屋から逃げてきた柿売りは、キノコを採った帰りで休んでいるばあ様にあった。そこでそのばあ様に「お春ばあさんは、若いとほめられると気前がよくなる」ということを教えてもらった。

柿売りは再度、お春ばあさんの水車小屋に向かった。そしてお春ばあさんに対して、「19か20か21に見える!」と言った。お春ばあさんは「そんなに若く言われたことはない」とすっかり上機嫌になり、柿を全部買ってしまい、へそくりの小判まで柿売りに渡してしまった。

その日の夕方、じい様が畑仕事から帰ってくると、水車小屋は柿でいっぱいになっていた。それでもお春ばあさんは「今日は19か20か21に見えると言われた」と、上機嫌であった。それを聞いたじい様は「19に20を足してみろ。39になる。さらにそれに21を足してみろ。60になる!」と言った。やっぱりお春ばあさんは60歳にしか見えないのであった。

(投稿者:カケス 投稿日時 2014/2/11 19:50)


ナレーション常田富士男
出典加来宣幸(未来社刊)より
出典詳細福岡の民話 第一集(日本の民話30),加来宣幸,未来社,1960年11月30日,原題「若いのが好きな婆さま」,採録地「三池郡」,話者「倉吉政幸」
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※掲載情報は 2014/2/11 21:15 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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カケス  投稿日時 2014/2/11 19:50 | 最終変更
このお話、女性にとってはちょっと「ドキッ」とするところがありますよね。確かに女性は「若い」とか「きれい」などと言われると、お世辞と分かっていてもうれしくなってしまうものです。
お春ばあさんが現代に生きていたらエステ通いやプチ整形に励んでしまう?と、想像してしまったのは、カケスだけでしょうか?
それでもじい様が愛想をつかさずに、夫婦でい続けるのは、やっぱりお春ばあさんはどこかかわいらしいところがあったからかもしれませんね。
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