トップページ >  お話データベース >  東北地方 >  福島県 >  お天とさまとひばり
No.0865
おてんとさまとひばり
お天とさまとひばり

放送回:0544-A  放送日:1986年04月19日(昭和61年04月19日)
演出:小堤一明  文芸:沖島勲  美術:青木稔  作画:小堤一明
福島県 ) 19347hit
ひばりを騙してお天とさまに怒られたもぐらは、昼間、外に出れなくなった。

昔むかし、ひばりが空を気持ちよく空を飛んでおった。もぐらはうらやましそうに見上げていた。ひばりは飛べないもぐらを、いつもからかっておった。

そんなある日のこと、きれいに着飾ったキツツキがやってきた。ひばりはキツツキが着ているようなきれいな着物がほしくなった。

そこで、もぐらが言った。「ひばりどん、おら、金ならたんまりあるんじゃがの。」
「なぁ、お金をおらに貸してくれ。きれいな着物を着たいんじゃよ。」いつもの仕返しをしてやろうと考えたもぐらは言った。「お金を貸してやるよ、ひばりどん。実はなぁ、お天とさまに金を貸してあるんじゃ。じゃが、まだ返してもらってないんじゃよ。だから空高く飛べるひばりどんに頼もうと思って。」

「よし、引き受けた。」ひばりは空高く飛んでいった。「てんと、金返せ。てんと金返せ。」おてんと様が「もぐらに騙されておるんじゃ。まだわからんのか。」と何度言っても、ひばりはあきらめんかった。「返してくれるまで毎日来るからな。」

お天とさまはとうとう怒り出した。「やい、もぐら。いつおまえから金を借りた?おまえというやつはとんでもないやつじゃ。」天とさまの怒りはすごかった。瞬く間にもぐらは炎に包まれてしまった。「うそつきもぐらめ。今度、昼間、地面に姿を見せたら焼き殺してやるぞ。分かったか~。」「お許しくださーい」こうしてもぐらは大慌てで土の中へもぐっていった。

こんなことがあってからもぐらは、天とさまが輝く昼間、暗い穴の中でじっとしているということじゃ。そして、ひばりはこんなことがあったとも知らず、今でも「天と、金返せ。天と、金返せ」と泣きながら空に舞い上がっているというそうな。
 

(投稿者: もげお 投稿日時 2012-3-20 11:33)


ナレーション市原悦子
出典片平幸三(未来社刊)より
出典詳細福島の民話 第一集(日本の民話13),片平幸三,未来社,1958年10月31日,原題「お天とさまとひばり」,採録地「福島市丸子」,話者「香内佐一郎」
場所について福島県福島市(地図は適当)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
追加情報
このお話の評価6.5000 6.50 (投票数 2) ⇒投票する
※掲載情報は 2012/3/20 11:41 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 47  件):   <前  1 ..  27  28  29  30  31  32  33  .. 47  次>  
コメント一覧
2件表示 (全2件)
もんた  投稿日時 2020/6/28 11:04
モグラに応援します。
アーリアジャスール2世  投稿日時 2020/6/7 9:21
なんかヒバリには同情できないね。これはしっぽの釣りの狐と同じだが
投稿ツリー
2件表示 (全2件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

38 人のユーザが現在オンラインです。 (30 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)