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No.0789
てんへあがりそこねたかめ
天へ上りそこねた亀

放送回:0496-A  放送日:1985年05月18日(昭和60年05月18日)
演出:山田みちしろ  文芸:沖島勲  美術:星野靖高  作画:山田みちしろ
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あらすじ

昔ある所に、海の暮らしに飽きた一匹のカメがいました。

このカメは、浜辺で酒を飲んで文句ばかり言っては、小魚たちからカツアゲしたり、酒屋の亭主に乱暴したり、毎日やりたい放題に過ごしていました。

ある日、いつものように酒を飲んで浜辺で寝ていると、まっ黒な黒雲が広がり一匹の美しいメスの龍が現れました。龍は神様からの使いで、一通り雨を降らせて去っていきました。

この様子を見ていたカメは「自分も天に昇って神様になりたい」と思い、龍を呼び寄せるため毎晩たき火を焚き続けました。

そんなある日の事、とうとうあの時の龍がやってきて「あんたのしつこいのには負けた、天に連れて行ってあげよう」と言いました。カメは大喜びして、メスの龍の尻尾にしっかりとつかまりました。

龍はカメを連れて、天へ向かって登っていきました。カメは振り落とされないように、しっかりと口で尻尾をくわえていましたが、やがて天上が見えてくるとすっかり嬉しくなってきました。

カメはつい「早く天に行きたいのぉ」と、くわえていた口を開けてしまい、高い空から浜辺に向かって一直線に落ちていきました。地上に落ちたカメは、天へ上ることをすっかり諦めて海へ帰っていきました。

(紅子 2013-12-4 23:21)


ナレーション市原悦子
出典島根県
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追加情報
本の情報講談社テレビ名作えほん第099巻(発刊日:1988年4月)
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※掲載情報は 2013/12/4 23:21 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
1件表示 (全1件)
Perenna  投稿日時 2020/9/11 23:43
この昔話のもとになったのは、インドの仏教説話の「ジャータカ」に収録されている「カメ前生物語」ではないでしょうか?
ヒマラヤ地方のある池に住んでいたカメが、二羽のガチョウと知り合いになります。
ガチョウたちはカメに、ヒマラヤ山中の洞穴にいっしょに遊びに行きませんかと誘います。
カメは一本の棒をくわえ、その両端を二羽のガチョウがかんで空中に飛びあがりました。
村の子供たちは空を飛んで行くガチョウとカメを見つけ、はやしたてます。
カメは「友だちのガチョウがわたしをつれて行こうと、どうしようと、おまえたちには関係ないだろう!」と叫んだとたん、かんでいた棒を放してしまい、下界へと落ちていきました・・・
「ジャータカ全集2」(春秋社)の注釈によれば、「今昔物語集」巻五・二四、「日本昔話名彙」二六二頁、「日本昔話集成」一・三〇一頁、「日本昔話事典」一六〇にも類話があるそうです。
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