トップページ >  お話データベース >  中部地方 >  北陸地方 >  新潟県 >  かねっこおり女房
No.0773
かねっこおりにょうぼう
かねっこおり女房

放送回:0485-B  放送日:1985年03月02日(昭和60年03月02日)
演出:小林治  文芸:沖島勲  美術:宮川一男  作画:片岡千恵
新潟県 ) 16223hit
切り落としたツララが女に化けてやってきた話

昔、村里離れた山の中に、小屋掛けしている若者がいた。本当は百姓なのだが、それだけでは生活できず冬になると猟をしないといけないのだ。

山は白一色になり、若者の小屋には沢山のかねっこおり(つらら)ができ、その中でも毎年おなじ所に出来る大きなツララが特に気にいっていた。ある朝、そのツララがさらに大きく成長して入り口をふさいだ為、若者は小屋の外に出ることができなくなった。仕方なくツララを切り倒そうと斧を振り下ろすと、一瞬だが赤い血しぶきが散ったように見えた。

その夜、ものすごい吹雪の中、御高祖頭巾(おこそずきん)の二十歳くらいの女が若者の小屋にやってきた。若者は気の毒に思い、夕飯をたくさんご馳走し、囲炉裏(いろり)を囲んでいろいろと話をした。今朝の出来事であるツララを切り倒した事に話が及ぶと、女は険しい顔をして理由を尋ねた。若者は、里に年老いた病気の母がいる事、毎日猟をしないといけない事、本当は切りたくなかった事、を女に話した。優しい男の話を聞いていた女は、「ぜひ嫁になりたい」と言いだし、その晩のうちに若者の嫁になった。

深夜、寒さで目を覚ました若者が、隣に眠る美しい嫁を見つめながらウトウトしていていると、女の声がした。「私は切り倒されたかねっこおりです。あなたを凍死させようと来たのですが、優しいあなたを殺せません。さよなら」若者は、急いで女が寝ていた布団をめくると、細くなったツララがそこにあった。

(紅子 2011-11-11 3:58)


ナレーション常田富士男
出典水澤謙一(未来社刊)より
出典詳細越後の民話 第一集(日本の民話03),水澤謙一,未来社,1957年10月10日,原題「かねっこおり女房」,採録地「小千谷市首沢」,話者「川上新太郎」
場所について小千谷市首沢(現在の小千谷市南荷頃の首沢地区、地図は適当)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
地図:小千谷市首沢(現在の小千谷市南荷頃の首沢地区、地図は適当)
追加情報
このお話の評価7.4286 7.43 (投票数 7) ⇒投票する
※掲載情報は 2011/11/11 3:58 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 79  件):   <前  1 ..  33  34  35  36  37  38  39  .. 79  次>  
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

34 人のユーザが現在オンラインです。 (22 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)