No.0077
みずのたね
水の種
高ヒット
放送回:0046-B  放送日:1976年08月21日(昭和51年08月21日)
演出:坂井俊一  文芸:沖島勲  美術:坂本信人  作画:坂井俊一
山形県 ) 33738hit
あらすじ

昔、山また山のその奥に貧しい村があった。この村、なぜ貧しいかと言うと、村には川も池もなく、稲を育てることができなかったからだ。村人は雨水を溜めて畑を耕していたが、それでも田んぼを作るには不足だった。それで、村に田んぼを作ることが村人の長年の悲願であった。

この村に、与左衛門という信心深い若者が、年老いた母親と共に暮らしていた。この与左衛門、村の虚空蔵さま(こくぞうさま)の前を通る時は必ず手を合わせるのであった。

さて、ある日のこと与左衛門はふもとの町に用足しに行くため、村を2~3日離れることになった。与左衛門が山を降り町に着くと、そこには満面の水をたたえた大川が流れていた。町での用事を終えた与左衛門は、大川の岸辺で一休みすることにした。すると子供たちの声が聞こえ、与左衛門の頭に小石が当たった。

与左衛門「こらぁー、石なんか投げたら危ねぇでねえだか!!」
子供たち「逃げろー!!」

与左衛門は、子供たちが何をしていたのだろうかと不思議に思い、子供たちのいた辺りに近づく。そこには小さな白蛇がいた。子供たちはこの白蛇をいじめていたようだった。与左衛門は可哀想に思い、白蛇に向かって「今度、出てくる時は気をつけるだぞー」と言い白蛇を撫でてやる。すると、与左衛門の傍らに突然きれいな娘が現れた。娘は、自分は竜宮城の乙姫であり、今日は白蛇に化けて地上で遊んでいた。危ないところを助けていただいたお礼に竜宮城に招待したいと言うのだ。

竜宮城に着いた与左衛門は竜王からもお礼を言われ、見たこともないような贅沢なご馳走で歓待された。与左衛門は夢のような日々を竜宮城で過ごしたが、ある日自分の村のこと、年老いた母親のことが思い出され、村に戻る旨を竜王に伝えた。

竜王と乙姫は悲しんだが、お礼に宝物殿からどれでも好きな宝物を持っていってよいと言う。宝の山の中で、二つの徳利が与左衛門の目に留まった。聞けば、それは「水の種」であると言う。「これさえあれば、村で田んぼを作ることが出来る!!」と思ったところで与左衛門は夢から覚める。

与左衛門が寝ていたのは、元の大川の岸辺であった。馬鹿な夢を見たものだと思いながら与左衛門は帰路を急ぐ。山を越え、与左衛門がいつも手を合わせる村の虚空蔵さまの前まで来ると、そこには夢で見た徳利と少しも変わらぬ徳利が二つ並んでいた。そして与左衛門が徳利を振ると、徳利からは際限なく水が溢れ出したのだ。こうして、村人は悲願であった田んぼを作ることができ、村は豊かになったそうだ。

(投稿者: やっさん 投稿日時 2011-5-7 13:46)


ナレーション市原悦子
出典(表記なし)
備考水の種、と同じ地域にしてる
DVD情報DVD-BOX第6集(DVD第28巻)
VHS情報VHS-BOX第5集(VHS第42巻)
場所について山形市村木沢に伝わる話か?
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
地図:山形市村木沢に伝わる話か?
追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第18巻-第087話(発刊日:1977年8月20日)/講談社テレビ名作えほん第028巻(発刊日:1978年5月)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説には地名の明記はない
講談社の300より書籍には地名の明記はない
このお話の評価8.5714 8.57 (投票数 7) ⇒投票する
※掲載情報は 2011/5/28 1:14 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 48  件):   <前  1  2  3  4  5  6  7  .. 48  次>  
コメント一覧
4件表示 (全4件)
Perenna  投稿日時 2020/11/9 0:16
この昔話の出典は未来社の「みちのくの民話」ではないでしょうか?
「水の種」(山形県)という題名で収録されています。
「山形市から西へ十キロばかり行きますと、門伝という村があります。門伝村は今でこそたんぼの開けたよい村でありますけれど、むかしは、泉もなく、川もなく、あれ野だらけの村でありました。」という書き出しで始まっています。
主人公の与左衛門は、助けた白いヘビに化けていた乙姫さまに連れられて、最上川を美しいこしに乗って海へと出ます。
龍宮の描写は次のように書かれています。
「夜が明けました。すると光かがやく、青い海の上に、目もさめるようなごてんが建っていたのでございます。龍宮でした。龍王は、むすめの乙姫から、話を聞いて、与左衛門にお礼をいいました。おいしいごちそうを食べたり、魚のまいを見たりいたしましたのは、むかしむかしの浦島太郎と同じでございます。」
どうやら、この昔話を語った人と書き留めた人は、なんとなく浦島太郎の話を意識的にモチーフにしているような印象を受けます。
村木沢に伝わる「水の種徳利」とは違った、別の話みたいですね。
アーリアジャスール2世  投稿日時 2020/1/26 9:58
作画がちょっとやなせたかしっぽい
はなののののはな  投稿日時 2018/8/8 14:01
浦島太郎と似てますね。
もらったものと結末が違いますが。
絵本に、空色の種というのもありましたね。
ゲスト  投稿日時 2018/7/31 1:52
村人の事をいつも気遣う優しい人ですね。
浦島太郎に似てますが、ハッピーエンドでほっとしました。
投稿ツリー

スレッド

4件表示 (全4件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

47 人のユーザが現在オンラインです。 (12 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)