昔ある所に、一軒の骨董屋がありました。今日はあいにく主人夫婦が留守で、甥の忠兵衛が留守番をしていました。
ふと一人の客が入ってきて、店内のいろいろな掛け軸を手に取りはじめました。そして、女の幽霊が描かれている掛け軸に目がとまり、これはいくらか?と、忠兵衛に尋ねました。
この掛け軸は、ただ同然で買ってきたガラクタ品でしたので、忠兵衛は二十文という意味で二本の指を見せました。すると客は「なんと二十両か!それは安い!」と大喜びして、明日に代金を持ってくるからと手付金を払って帰っていきました。
その夜、忠兵衛は大金を手にしてすっかり嬉しくなり、幽霊の掛け軸の前で、ひとりで酒盛りを始めました。掛け軸の中の幽霊に「お前もちょっと出てきて酌でもしてくれや」と声をかけると、なんと本当に掛け軸から幽霊が出てきました。なんとも不思議な事で、初めは怖がっていた忠兵衛も、美人な幽霊のお酌ですっかり酔い潰れてしまいました。
翌朝、目を覚ました忠兵衛の目の前には、幽霊が寝姿になっている掛け軸がありました。はやく女幽霊に起きてもらって元の立ち姿に戻ってもらわないと、二十両がぱぁになってしまう、、、と忠兵衛は困惑しました、とさ。
(紅子 2012-3-13 1:08)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | (表記なし) |
DVD情報 | DVD-BOX第12集(DVD第58巻) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第17巻-第084話(発刊日:1977年7月20日)/講談社テレビ名作えほん第023巻(発刊日:1978年3月)/二見書房[怪談シリーズ]第2巻_幽霊こわ~い(発刊日:1994年6月25日) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説には地名の明記はない |
講談社の300より | 書籍には地名の明記はない |
レコードの解説より | LPレコードの解説には地名の明記はない |
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