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No.0689
よなきうどん
夜なきうどん
高ヒット
放送回:0432-A  放送日:1984年02月25日(昭和59年02月25日)
演出:前田康成  文芸:沖島勲  美術:福井のり子  作画:前田康成
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あらすじ

昔、高知の山奥で、うどんの屋台(夜泣きうどん)を引いてくる人の良い爺さんがいた。鈴をチリンチリンと鳴らしながらやってくる屋台は、かっちゃんという若者が常連だった。

ある夜、この辺では見かけない美人の女将さん風の人がうどんを食べにやってきた。次の夜もまた次の夜も、ここら辺では見かけない客がやってきて、うどんを3杯も4杯もおかわりして帰って行った。しかし見慣れない客が払ったお金は、全て翌日には木の葉になっていた。

うどん屋の爺さんがかわいそうだと思ったかっちゃんは、ある夜、怪しい客の着物のスソに火を付けた。すると思った通り、熱さに驚いた客は、元のタヌキの姿に戻った。タヌキは、かっちゃんから強烈な一撃をくらい、瀕死の状態で逃げて行った。それからは、もうお金が木の葉になる事もなかった。

翌年になり、また夜泣うどんがやってくる季節となった。だが、屋台の鈴の音ではない音が聞こえてくる。変だと思ったかっちゃんが、こっそり外を見ると、6匹の子ダヌキたちが鈴の音を真似て鳴いているのだった。

母ダヌキが毎晩、夜泣うどんに通っていたため、子ダヌキたちも鈴の音を覚えたのだろう。死んだ母狸を偲んでいる子ダヌキ達を見て、かわいそうな事をしたと、かっちゃんも泣いた。

(紅子 2011-8-27 9:49)


ナレーション常田富士男
出典高知のむかし話(日本標準刊)より
出典詳細高知のむかし話(各県のむかし話),土佐教育研究会国語部,日本標準,1976年09月01日,原題「夜なきうどん」,採録地「高知市潮江」,話者「朝倉慶重」,再話「外京華子」
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※掲載情報は 2011/8/27 9:49 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
9件表示 (全9件)
吉兵衛どん  投稿日時 2022/2/7 23:45
なんか切ない話だ。かっちゃんはすごく正義感の強い優しい人なんだろうな…せめて狸の子どもたちが立派に育ってほしい。
もんた  投稿日時 2020/2/24 15:47
この話はよくありますね。
ももロペ  投稿日時 2019/1/13 10:58
娘が大好きです。話の内容の良さも去ることながら声色が凄くよくて真似ています。YouTubeで見ていますが寝るときに子守唄にして聞いています
テレビでもみたいです。
ゲスト  投稿日時 2017/3/17 5:05
うどん屋の御爺さんを騙したのは良くないが、子供を育てるためには仕方ない。でも、他の狸達は人を騙していないし・・・難しいですね
ゲスト  投稿日時 2016/4/20 3:18
私もこの話好きです。
特におばあさん。
いい演技ですよね。こんなリアルで情緒のあるアニメをまた見たいものです
ゲスト  投稿日時 2015/12/17 20:24
何だか泣けます
かっちゃん、最後の言葉は自分に言い聞かせているようにも見えました
ゲスト  投稿日時 2015/3/8 9:24
これは他の作品に比べて描写のクオリティーが高いというか、別格というかいちいちリアルでびっくりします。ジブリ作品みたい。どうしてこれだけ気合いが入ってるんでしょうね?なんて事ないお話にこんなに説得力があるのはそのためだと思います。
籠目  投稿日時 2014/4/8 20:16
冬の寒い日に見ると情緒満点。
うどんが美味しそう。どんな味なんだろう?
我が家のメニューは次の日うどんになります。
まあ  投稿日時 2013/7/26 21:59
この話、ビデオに撮ってあるんだけど、すごく好きなんです。
何てこと無い話なんだけど、全編夜の静かな雰囲気とか、出てくる人達の悪気の無さとか、
ほのぼの癒される感じです。うどん屋の爺さんが、うどんの水切りしてる仕草が、
妙にリアルでうまそうなんです。
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