昔、南会津の山奥を流れる水無川の上流で、四人の木こり達が木を伐っていました。暑さが続き仕事に疲れた木こり達は、明日は仕事を休んで「根流し」で楽して魚を捕ろう、という計画を立てました。
その晩、木の根や葉っぱを鍋で煮て、根(魚を殺す毒)を作っている時の事、一人の坊さんがやってきて「小魚まで死んでしまう、むごい事はやめなされ」と諭しました。木こり達はこの坊さんを気味悪く思い、とりあえず持っていた団子をご馳走しつつ「明日の根流しはやめる」と、坊さんに約束しました。
さて次の日、もともと根流しを止める気などなかった木こり達は、沢山の根を川に流し始めました。もっと大きな魚を捕ろうと上流の「底無しの淵」へ行き、残った根を桶ごと淵へ投げ込むと、見た事もない巨大な岩魚が白い腹を見せて浮かび上がってきました。
その夜、木こり達が巨大岩魚の腹を割いてみると、ポロポロと団子が出てきました。この岩魚が昨日の坊さんだったのだ、と木こり達が知ったとたん、一人がバッタリと倒れて動かなくなりました。やがて谷川の水はきれいになり、魚も住めるようになりましたが、この不思議な話はいまも人々に語り継がれています。
(紅子 2012-2-9 0:57)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | (表記なし) |
DVD情報 | DVD-BOX第1集(DVD第5巻) |
VHS情報 | VHS-BOX第2集(VHS第16巻) |
場所について | 南会津、水無川の上流(地図は適当) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第12巻-第057話(発刊日:1977年2月15日)/童音社BOX絵本_第57巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/講談社テレビ名作えほん第030巻(発刊日:1978年6月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説によると「福島県の昔ばなし」 |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「福島県の昔ばなし」 |
講談社の300より | 書籍によると「福島県のお話」 |
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