昔、秋田の男鹿半島に、働き者の蟻(アリ)とナルシストの蜂(ハチ)が住んでいました。アリはいつも泥まみれになって働いていましたが、ハチは自分の美しい羽や容姿に我ながらうっとりして暮らしていました。
ある日、ハチとアリが海に魚を捕りに出かけました。一足先に海にたどり着いたハチは、にしんの群れを見つけて、さっそく1匹捕まえました。遅れて海にたどりついたアリは、でっかい海に感動してしばらくアタフタしていると、大波にはじかれた鯛が頭の上に落ちてきました。そこへハチが飛んできて、「見た目の美しいオラにこそ赤く美味しい鯛が似合う、だからよこせ」と変な理屈をこねはじめ、納得できないアリとハチはとうとうケンカになってしまいました。
そこで二人は、知恵者の村長さんに裁いてもらおうと、海での出来事を細かに説明しました。すると村長は、「算数の九九では"二四が八"というから"にしんが蜂"じゃ。そして、人から物をもらったら"ありがたい"というから"蟻が鯛"じゃ」と、判決を下されました。
近くで判決を聞いていたイタチは「あたりまえだよ」と笑っていたが、蟻と蜂は友達だったから鯛は二人で分け合ってなかよく食べました。
(紅子 2011-11-4 0:40)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 秋田県 |
DVD情報 | DVD-BOX第11集(DVD第54巻) |
場所について | 男鹿半島(地図は適当) |
本の情報 | 講談社テレビ名作えほん第059巻(発刊日:1986年8月) |
講談社の300より | 書籍によると「秋田県のお話」 |
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