小田原の海辺に文助(ぶんすけ)というじいさんが住んでいた。じいさんの家では、猫が1匹飼われていて、大変かわいがられていた。
さて、お盆近くになると、夜中に干してあった手拭いが無くなる事に気が付いた。不思議に思い、翌日に手拭いを見張っていると、手拭いがふわりと松林の中を飛んで行った。文助じいさんが手拭いを追いかけけて松林の中を行くと、そこには猫達が頭に手拭いをかぶり盆踊りをしているところだった。文助じいさんの猫は、粋な唄を歌い上手に音頭をとっていた。
それを見ていた文助じいさんは楽しくなってきて、うっかり笑い声を立ててしまった。猫達は人の気配に気が付いて一斉に逃げ出し、文助じいさんもあわてて家へ走り帰った。家に帰ると、すでに飼い猫は戻っていて、囲炉裏(いろり)の前で横になって寝ていた。だが、よく見ると息を荒げた状態で必死に寝たふりをしていた。
文助じいさんはこれからも毎年、手拭いをきれいに洗って、猫のために準備してあげた。
(紅子 2011-7-26 22:13)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 神奈川県 |
備考 | 里のかたりべの「かわうそたちとねこと牛どん」でも放送 |
DVD情報 | DVD-BOX第3集(DVD第14巻) |
場所について | 小田原の酒匂(地図は適当)? |
本の情報 | 講談社テレビ名作えほん第082巻(発刊日:1987年8月) |
講談社の300より | 書籍によると「神奈川県のお話」 |
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