No.0006
たのきゅう
たのきゅう
高ヒット
放送回:0003-B  放送日:1975年01月21日(昭和50年01月21日)
演出:近藤英輔  文芸:平見修二  美術:小関俊之  作画:金沢比呂司
山梨県 / 徳島県 ) 124182hit
たのきゅうが大蛇を騙して小判をゲット。

むかしむかし、『たのきゅう』という旅芝居の役者がおりました。

ところがある時、母親が病気になったので、たのきゅうは急いで故郷に帰ることになりました。途中、山の麓の茶屋で「夜の山にはウワバミが出て人間を喰ってしまう」という話を聞きましたが、先を急ぐたのきゅうは構わず歩き続けました。

暗い月影、寂しい山道。たのきゅうがびくびくしながら夜の山道を歩いて行くと、怪しい大男が現れました。大男がお前は何者かと聞くので、「た、た、たのきゅう…」と答えると、耳が遠いらしい大男は『たぬき』と聞き間違えて、女に化けて見せろといいだしました。

たのきゅうは大男を後ろ向きにさせ、その隙に芝居の道具を使って女に変装しました。さすがたのきゅうは役者でした。大男はたのきゅうが変装した女にすっかり喜んで「実は儂も化けておるんじゃ。」と、みるみる大きなウワバミに変わりました。

たのきゅうは震えあがり、気を紛らわすために思わず煙草に手を伸ばしました。するとウワバミは驚いて「やめてくれ、わしは煙草の煙が苦手なんじゃ!」と叫びました。そしてもしこのことを人間に漏らせば、お前を締め上げると言いました。ここでたのきゅうは頭を働かせ、自分は締め上げられるより「お金」が大の苦手じゃと答えて、山を降りました。

たのきゅうは、早速この話を麓の村の人達に教えてやりました。すると、日頃からウワバミに苦しめられている村人達は、手に手に煙草を持って、ぷかぷかどんどん、ウワバミ退治に出かけました。煙草の煙に燻されて、さすがのウワバミもフラフラになってしまいました。

怒ったウワバミは最後の力を振り絞り、たのきゅうの家までやってきました。そうして天窓から家の中を覗き込み「たぬき、これでも喰らえ!」と言い、口から小判をざらざらと吐き出しました。「助けて~苦しい~」と小判にまみれながら苦しんでいたたのきゅう、「ざまあみろ!」と捨て台詞を残してウワバミが去ったとたん、にんまりと笑いましたとさ。

(投稿者: ニャコディ 投稿日時 2013-9-17 23:05 )


ナレーション市原悦子
出典(表記なし)
備考漢字で書くと、田野久
VHS情報VHS-BOX第1集(VHS第2巻)
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追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第4巻-第019話(発刊日:1976年7月20日)/童音社BOX絵本_第35巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第038巻(発刊日:1980年かも)/二見書房まんが日本昔ばなし第2巻-第07話(発刊日:2005年10月17日)/講談社デラックス版まんが日本昔ばなし第33巻(絵本発刊日:1985年07月15日)/講談社テレビ名作えほん第025巻(発刊日:1978年4月)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説には地名の明記はない
童音社の絵本より絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「山梨県の昔ばなし」
講談社のデラックス版絵本より“たのきゅう”という名の役者のとんち話で、落語にもとりあげられているお話です。うわばみが“たのきゅう”を“たぬき”と勘違いするのが、そもそもの発端。ここからもう、おかしみがこみあげてきますね。たのきゅうはうわばみの変身要求に、役者の衣装をつぎつぎ着かえて早変わりをしてみせ、さらに頭をはたらかせてまんまと小判をせしめてしまいます。たのきゅうに庶民のしぶとさ、たくましさを感じるとともに、自分の弱点をぽろっともらしてしまううわばみに、恐ろしさよりは人の良さを感じて、親しみがわいてきます。(徳島地方の昔ばなし)
講談社の300より書籍には地名の明記はない
レコードの解説よりLPレコードの解説によると「徳島地方の昔ばなし」
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※掲載情報は 2013/9/18 0:23 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
10件表示 (全15件)
ゲスト  投稿日時 2021/12/30 12:03
大蛇(大男)はたのきゅうの事を「たぬき」と呼び名をしてますので、ジブリの平成狸合戦ぽんぽこ/徳島県阿波市の有名な阿波の狸合戦。
風間廉伊藤鴨太郎  投稿日時 2021/12/22 9:27
2002年3月に僕の学校で劇観賞しました
僕は見れませんでした
ゲスト  投稿日時 2021/12/15 7:18
徳島県阿波市の有名な阿波の狸合戦。大男(うわばみ)はたのきゅうの事を「たぬき」を呼び名を呼んでいますので、阿波の狸合戦。
ゲスト  投稿日時 2021/7/15 17:15
まんが日本昔ばなし台本「たのきゅう」では、美術監督は小関俊之が正解。
ゲスト  投稿日時 2021/7/2 15:55
たのきゅうの本当の美術監督は小関俊之さん。小関俊一さんではない。
ゴンザ  投稿日時 2020/7/5 16:19 | 最終変更
あらすじで訂正して欲しいところ
ラストの小判のシーンですが、ウワバミは小判を投げてはおらず、直接口からたのきゅうの家の天窓に吐いています。もしよければ訂正して下さい。
__
あらすじの該当部分を訂正しました。(2020/7/6)
アザヴ  投稿日時 2018/12/14 22:04 | 最終変更
たしかたのきゅうが小判が苦手と言った経緯はうわばみがたのきゅうの苦手をしつこく聞いたのではなく、たのきゅうがうわばみに「旦那の弱点をばらしたらどうする?」と聞き、うわばみは「お前を締め上げる」と言ったがたのきゅうは「おらを虐めるには締め上げるよりいい方法がある」と言ったからじゃなかったっけ?
__
ありがとうございました。該当箇所を訂正しました。(1218/12/16)
はなののののはな  投稿日時 2018/8/4 1:29
大人になってから好きになりました。
私は、たの、より、きゅう、に着眼し、何だかキュウリみたいと思っていました。
今読むと、なるほどなぁという感じです。
たのきゅう、さすがです。
seiuchi  投稿日時 2017/1/27 23:38
徳島の民話として有名で、あまりにも有名すぎて落語にまでなった名作民話。
落語では、立川談志(ガッテンの志の輔の師匠)や六代目三遊亭圓生(腹黒い紫の圓楽の大師匠)の得意ネタ。
ゲスト  投稿日時 2017/1/8 21:27
たのきゅう、大好きです。DVDボックスに入れて欲しかった・・・。今でも待っています!
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