No.0529
きぬのふんどし
絹の褌
高ヒット
放送回:0332-A  放送日:1982年03月13日(昭和57年03月13日)
演出:吉良敬三  文芸:境のぶひろ  美術:水野尾純一  作画:吉良敬三
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あらすじ

昔、とてもご利益のある古峯神社(ふるみねじんじゃ)へお参りするのが流行っている村があった。百姓たちは月に一文ずつ積み立てて、年に一度その金を持って、村の代表がお参りに行くことになっていた。

ある年の事、村でも貧乏な嘉助(かすけ)という大変な粗忽者(そこつもの)が、今年の代表となった。そこで、嘉助は奮発して上等の絹で作った褌(ふんどし)を締めて出かけることにした。古峯神社のある町はお城下十五万石の町で、いろいろなお店が立ち並び多くの人が行き交っていてたいへん賑やかでした。街道を歩いていた嘉助は、自分が絹の褌をしている事を周りの人へ知らしめるため、着物の裾をまくりあげ「さぁ良っく見ろぉー」と大股を広げ飛び回った。

絹の褌を見せびらかしながら、ようやく古峯神社のお賽銭箱の前にやってきた嘉助は、村から預かったお金(百文)から十文だけをお賽銭箱に入れるつもりで、うっかり九十文も投げ込んでしまった。手持ちの小遣いが無くなり、仕方なく弁当を食べようと風呂敷を広げると、包んでいた風呂敷は実はカカァの腰巻で中には自分の枕が入っていた。

腹を立てた嘉助は一気に村まで走って戻り、寝ているカカァに殴りかかった。すると、それは隣の家のカカァだった。あらためて自分の家にかけ込んで、準備が悪かったカカァを責め立てたが、嘉助自身も絹の褌をしめ忘れていたことに気が付いた。

嘉助は、フルチンを見せびらかした町での失態を思い返し、もう恥ずかしくて恥ずかしくて仕方がなかった。その後も、嘉助の粗忽は治らなかったが、ふんどしを忘れる事だけはなかった。

(紅子 2011-11-7 3:30)


ナレーション市原悦子
出典山形県
場所について古峯神社(地図は適当)そもそも違うかも
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地図:古峯神社(地図は適当)そもそも違うかも
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※掲載情報は 2011/11/7 3:30 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
7件表示 (全7件)
ゆーり  投稿日時 2019/2/5 0:32
小学生の時に見て爆笑した記憶が未だに覚えてるなぁ~。
皆の頭の上をぴょ~~~んとした時は
「うわぁぁぁぁぁ!!!」と悲鳴をあげたのまで^^;
あれは衝撃だったよね~。あんな恥ずかしいマネ絶対しないとも思った。。

日本昔話と言えば、私の中ではコレが最高だね!
セイジ  投稿日時 2018/10/3 22:52
今で言う「勝負下着」と言ったところでしょうか。にしても、外へ出たときに「なんかスースーする」って気づかなかったのでしょうかね…
スナフキン  投稿日時 2016/2/25 10:56
山形県を含む東北地方の皆さんが信仰し、代表者が詣でる古峯神社は栃木県の鹿沼市にあります。
勝道上人が日光を開山する前に修行した場所として有名です。
今でも東北や新潟の皆さんが大型バスで詣でています。

http://www.furumine-jinjya.jp/
リクート  投稿日時 2015/3/19 13:19
かすけは、自分が出かける時に腰巻きと枕を持って行ったのをカカのせいにしたけど、もとはといえばΓそこつ惣兵衛」に出てきた惣兵衛みたいに自分が気をつけなかったのが悪いのにそれをみんなカカのせいにした、かすけが悪いのではと僕は思いました。
beniko  投稿日時 2011/11/7 20:07
そうですね、ちょっと特定するには情報不足ですね。お城下十五万と言っているので米沢市かもしれません(地図は山形市になっていますけど)。確信はないけど、このままにしておきます。
お金の価値について、説明ありがとうございました。このお話では、10文では熱燗とおでんが食べられない、90文だったら余裕で食べらる、ってことで考えると、100文=1万円くらいかなって思います。
araya  投稿日時 2011/11/7 13:46
古峰講は東日本各地にあって、総本山は栃木県鹿沼市草久にある古峰神社だとか。もし、話中の古峰講がお伊勢参りのようなものなら、山形の話でも栃木に向かった可能性もなくはないかなと…。

ただ、話中の「小遣い込みの旅費が100文」「走って日帰りできる」を信じるなら、1両は銭4000文で100文は3千~1万円ほどですから、やはり山形でいいのかも。せめて、物語がどこの地域か分かれば、古峯神社もどこのものか推定できるのですが、山形市・上山市・鶴岡市・米沢市とありますから難題ですね(^_^)。
beniko  投稿日時 2011/11/7 3:34
いくつか候補があって、現在の位置にまっぴんぐしましたが、ちょっと地図位置に確信がありません。もし、ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えて下さい。※地図上の古峯の漢字も違うので、ちょっと自信無し。
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