No.0507
やまんばのけ
山姥の毛
高ヒット
放送回:0319-A  放送日:1981年12月12日(昭和56年12月12日)
演出:フクハラ・ヒロカズ  文芸:沖島勲  美術:水野尾純一  作画:フクハラ・ヒロカズ
三重県 ) 27936hit
美しい黒髪に嫉妬した山姥の話

昔、三重のとある城跡に山姥が住むという古井戸がありました。

ある日の事、おもとという百姓の若女房が、焚きつけ用の松葉を拾いにやってきました。おもとは豊かな黒髪が自慢で、いつも洗い髪をさらりと束ねていました。おもとが、うっかり古井戸を覗き込むと、いきなりものすごい風が吹き上げました。びっくりしたおもとは一目散に逃げ帰って、そのまま熱を出して寝込んでしまいました。

不思議な事に、寝ているおもとの髪は目に見えてにょろにょろと伸び始めました。この髪は「切れ」と言うと激しい頭痛をおこし、「切るな」と言えばおさまるというおかしなものでした。これは山姥のたたりに違いないと、おもとは遍照院(へんじょういん)というお寺の御年寄様のところに七日間毎日通う事になりました。

おもとはものすごい長さの髪の毛を大きな荷車に載せ、やっとこさ通い続けました。七日目、御年寄様は一心に念仏をとなえ、おもとの髪の毛を一気に切り落としました。すると、切った髪の毛は竜巻のように舞い上がり、古井戸のある城跡の方へ飛んでいきました。

御年寄様は「山姥といえどもおなご、醜い姿で古井戸に身を隠しているのに、これ見よがしに黒髪を見せつけられて腹を立てたのだ」と言って、若い夫婦をたしなめました。こんな事があってから、おもとは自慢の髪を百姓の嫁らしく、くるくるとマゲに結う事にしました。

(紅子 2011-12-19 1:05)


参考URL(1)
http://www4.cty-net.ne.jp/~mie/rekishi-shiseki/kyoudoshi=1/02-04higashisakabe/body.html
参考URL(2)
http://www.asahi-net.or.jp/~qb2t-nkns/kayou.htm
ナレーション市原悦子
出典三重県
DVD情報DVD-BOX第6集(DVD第26巻)
場所について三重県四日市市萱生町238 萱生城跡にある古井戸(現在は暁学園高校・中学校の敷地)
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地図:三重県四日市市萱生町238 萱生城跡にある古井戸(現在は暁学園高校・中学校の敷地)
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講談社の300より書籍には地名の明記はない
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※掲載情報は 2011/12/19 1:05 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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yassan  投稿日時 2016/12/2 8:42
simasima様

ご指摘ありがとうございました。該当箇所を「三重」に訂正しました。

保管されていた山姥の毛は遍照院とともに焼失してしまったのですね・・・残念です。地図は山姥の住んでいた古井戸のある四日市市萱生町の萱生城跡に変更しました。
simasima  投稿日時 2016/12/2 0:03
出典が三重県なのに、「大和のとある城跡」はおかしいです。お話でも「大和」になってるのですか?場所は「伊勢国朝明郡萱生村」(現在の「三重県四日市市萱生町」)の萱生城址です。おもとさんは麓の「中村」に住んでいたと言われています。四日市市東坂部町にあった遍照院に髪の毛は保管されていたのですが、昭和末?平成に入って?時期は調べないと忘れてしまいましたが、火災で寺院とともに消失し、住職は鳥羽方面へ移転して寺院を建立したようです。
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