昔、三重県の北垣内(きたがいと)村に、嘘をつく名人の重蔵(しげぞう)という子供がいました。村人からも、今日はどんな嘘をついてくれるのか?と期待されていて、重蔵のつく嘘はみんなから愛されていました。
そんな重蔵も大人になり、毎日毎日村人たちのためにつく嘘を考え続けて、ついに病気で死んでしまいました。村人たちは反省し、ねんごろに重蔵の葬式を出してあげると、実は死んだふりの嘘でした。重蔵の嘘に、村人たちはいつも喜んでいました。
しかし重蔵も本当に年をとり、ついに寿命をまっとうする日が来ました。愛してくれた村人たちに、感謝として「床下にある壺の中にお金が入っているから使ってくれ」と遺言を残し、本当に死んでしまいました。
村人たちは泣きながら、床下の壺を堀り出して中を確認すると「嘘の言いじまい」とだけ書かれた紙が一枚入っていました。村人たちは最後まで、重蔵のつく嘘に騙されっぱなしでした。
(紅子 2012-4-6 21:17)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | 三重県菰野町 |
DVD情報 | DVD-BOX第5集(DVD第21巻) |
本の情報 | 国際情報社BOX絵本パート2-第103巻(発刊日:1980年かも)/講談社テレビ名作えほん第058巻(発刊日:1986年8月) |
講談社の300より | 書籍によると「三重県のお話」 |
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