昔、米沢の黒沢にお地蔵さんがいて、お地蔵さんの前の広場は子供たちの遊び場になっていました。子供たちはいつもお地蔵さんの周りでかくれんぼしたり、歌をうたったりして日が暮れるまで遊んでいました。
ところで、この村にはたいそう信心深い六兵衛という木こりが住んでいました。六兵衛は、いつも子供たちがお地蔵さんを泥まみれにしてしまう事を腹立たしく思っていました。そんな時、子供たちがお地蔵さんに縄をつけて引っ張り回している様子を見て、とうとう激怒しました。
子供たちを追っ払い、その日のうちにお地蔵さんのお堂に頑丈な格子(こうし)を付けて、持ち出せないようにしました。ところが次の日、六兵衛は体中の力がすっかり抜けて首が曲がってしまい、布団から起き上がれなくなってしまいました。医者に診てもらってもさっぱりわからず、その日は一日中布団の中から出る事ができませんでした。
その夜、六兵衛の夢にあのお地蔵さんが現れ「子供たちと楽しく遊んでいたのに。格子をとりはらえ」と言いました。さっそく人をやってお地蔵さんの格子を取り外すと、六兵衛の病気はケロリと良くなりました。
それからはこのお地蔵さんを、遊ぶ事の大好きな「だらぐ地蔵」と呼ぶようになりました。
(紅子 2012-2-13 1:43)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 山形県米沢市 |
備考 | 国際情報社の絵本によると山形県のお話 |
DVD情報 | DVD-BOX第6集(DVD第29巻) |
本の情報 | 国際情報社BOX絵本パート2-第089巻(発刊日:1980年かも)/講談社テレビ名作えほん第097巻(発刊日:1988年3月) |
講談社の300より | 書籍によると「山形県のお話」 |
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