昔ある所に、狐がたくさん住む森があって、いつも森を通る人々を騙してばかりいました。この森の近くに住む、権(ごん)さんという男は、森の中では何でも狐に見えるらしく、誰かれにでも石を投げつけていました。
さすがの狐たちも、権さんの乱暴ぶりにはお手上げ状態で、どこか他の森に引っ越そうかと相談していました。すると年寄りの婆さん狐が「わしが権さんをこらしめる」と言い出しました。
婆さん狐は、森の出口をごまかして、足をくじいて困っている武州屋のおかみさんに化けて、権さんを待ち伏せしました。森から出ていたつもりの権さんは、まさかキツネが化けているとは思わず、美しいおかみさんを馬に乗せて武州屋まで送って行く事にしました。
まんまと婆さん狐に騙された権さんは、一晩中森の中を歩き回りヘトヘトになり、馬の背に乗せていたお土産の魚も盗まれてしまいました。
家に帰った権さんは、嫁さんから小言をいわれすっかりいじけて、もう森へは近づかなかったそうです。
(紅子 2012-4-2 0:58)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | (表記なし) |
DVD情報 | DVD-BOX第4集(DVD第16巻) |
VHS情報 | VHS-BOX第5集(VHS第45巻) |
本の情報 | 国際情報社BOX絵本パート2-第075巻(発刊日:1980年かも)/講談社テレビ名作えほん第083巻(発刊日:1987年8月) |
講談社の300より | 書籍には地名の明記はない |
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