山奥にあるしょじょ寺は、山のたぬきが化けて脅かすので、なかなか和尚が居着かなかった。
新しくやってきた高僧も、一つ目小僧やろくろ首に化けた狸に驚かされて逃げ出してしまった。次にやってきた豪傑和尚は、怖がりこそしなかったか、腹鼓をしてからかう狸を追い回しているうちに大けがをしてしまい出ていった。
次にみすぼらしい姿の和尚さんがやってきた。この和尚は狸の化けたおばけにも驚かず、たぬきの腹鼓を聞いても自分も一緒になってお腹を叩き出す始末。しかしこの和尚さん、あんまりお腹を叩きすぎたため倒れてしまう。翌日から和尚さんは腹鼓を練習しはじめた。
ある満月の夜、狸が寺に集まってきて和尚さんと腹鼓合戦を始めた。和尚さんの腹鼓が良い音をだすので、狸の親分も負けじと頑張るが、たたきすぎてお腹が破裂してしまった。心配した和尚さんは狸の腹に薬をぬって介抱してやった。
その後も狸と和尚さんは腹鼓合戦をつづけているうちにすっかり仲が良くなり、満月の夜に集まっては腹鼓を打っているという。
(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 14:37 )
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | (表記なし) |
DVD情報 | DVD-BOX第3集(DVD第11巻) |
場所について | 證誠寺(証城寺・証誠寺) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第6巻-第026話(発刊日:1976年9月1日)/童音社BOX絵本_第49巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第028巻(発刊日:1980年かも)/二見書房まんが日本昔ばなし第10巻-第37話(発刊日:2006年5月23日)/講談社デラックス版まんが日本昔ばなし第47巻(絵本発刊日:1986年02月15日)/講談社テレビ名作えほん第009巻(発刊日:1977年9月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説によると「千葉地方の昔ばなし」 |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「千葉県の昔ばなし」 |
講談社のデラックス版絵本より | たぬきはきつねとともに、人を化かす動物として昔話にしばしば登場します。そんなところから、夜、どこからともなく聞こえてくる祭りばやしを、たぬきばやしというようになったのでしょうか。この話では「しょじょ寺」となっていますが、正しくは証誠寺。千葉県木更津市にあるお寺です。ここで、ある月夜の晩、学芸を好んだ和尚さんの三味線にあわせ、住みついていたたぬきたちが腹つづみをうって大騒ぎしたというのが、伝承のはじまりです。野口雨情作詩、中山晋平作曲で、童謡にうたわれるようになってからは一躍有名になり、その詩碑や狸塚が築かれるなど、今日も訪れる人が絶えません。(千葉地方の昔ばなし) |
講談社の300より | 書籍には地名の明記はない |
レコードの解説より | LPレコードの解説によると「千葉地方の昔ばなし」 |
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