トップページ >  お話データベース >  東北地方 >  岩手県 >  べごをつれた雪女
No.0359
べごをつれたゆきおんな
べごをつれた雪女

放送回:0224-B  放送日:1980年02月16日(昭和55年02月16日)
演出:芝山努  文芸:沖島勲  美術:門野真理子  作画:須田裕美子
岩手県 ) 19528hit
あらすじ

昔、あるところに太一という利かん坊だが、心優しい男の子とお祖母さんが暮らしていた。

ある夜、太一は糸紡ぎをするお祖母さんに「雪が降る日には雪女が出るのは本当か」と聞いた。お祖母さんは「本当だ、雪女は悪さばかりしている子供の所に現れるそうだ。雪女は顔も着物も白く、牛を引き連れていて氷のように冷たい手で乳を搾り飲ませようとする。
その乳を飲むと命を落としてしまう」と答えたが、太一は全く信じなかった。

ある日のこと。太一は近所の子供たちと橋のそばの坂道で、夢中になってそり滑りをして遊んでいたが、日が傾くころになると子供たちも家へ帰ってしまい、気づけば太一ひとりになっていた。

太一は橋を渡って家へ帰ろうとした時、橋の向こう側だけが激しく吹雪いていた。橋を渡らないと家に帰れないので、太一はそろりそろりと橋を渡った。やっと橋を渡り終えた時、目の前の吹雪が止み、そこに白い牛を連れた女が立っていた。

太一は、これはもしやと思い逃げようとしたが身体が動かない。そのうち女が手招きすると、太一の身体もひとりでに女の前に行ってしまった。女は太一に牛の手綱を持たせ、牛に雪を食べさせたかと思うと白い手で乳を搾り始めた。

桶に真っ白な乳が溜まると、女は乳を手ですくいあげ太一の前に差し出した。どうすることも出来ない太一は思わず目を閉じた。すると女は乳を太一の顔めがけてかけたが、太一は咄嗟に顔を逸らし、そのまま気を失ってしまった。

気がつくと空から大きな雪がどんどん降っていた。太一は、あの女が雪女だったのかと考えたがよくわからなかった。何も悪さをしてないし、ひょっとしたら狐の仕業かもしれないと思うのだった。

(投稿者: Kotono Rena 投稿日時 2013-11-21 23:49)


ナレーション常田富士男
出典岩手のむかし話(日本標準刊)より
出典詳細岩手のむかし話(各県のむかし話),岩手県小学校国語教育研究会,日本標準,1976年10月15日,原題「べごをつれた雪女」,採録地「遠野市上組町」,話者「菊池ミネ」,再話「山本精一」
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このページを印刷
追加情報
このお話の評価9.0000 9.00 (投票数 3) ⇒投票する
※掲載情報は 2013/11/23 0:03 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
お話の移動 ( 80  件):   <前  1 ..  19  20  21  22  23  24  25  .. 80  次>  
コメント一覧
2件表示 (全2件)
ゲスト  投稿日時 2016/6/2 16:28
子供の頃に録画したものを何度も観てました。
特に怖い話とも思わずに繰り返し観てましたが、日が暮れかけて独りになった太一がふと見上げた空と木が化物のように見える事に気付いてからは少し怖いと感じるようになりました。
今観てみると雪女さんがニッコリ笑うのが可愛いですねw
ゲスト  投稿日時 2016/2/16 17:06
いいお話ですね。
わるさ を我慢出来て良かった良かった。
投稿ツリー
2件表示 (全2件)
現地関連情報
出典本調査 facebook
Twitter

オンライン状況

49 人のユーザが現在オンラインです。 (34 人のユーザが お話データベース を参照しています。)

新着コメント(コメント24件)