No.0352
うたじぞう
歌地蔵

放送回:0220-A  放送日:1980年01月19日(昭和55年01月19日)
演出:山田みちしろ  文芸:沖島勲  美術:吉田陽子  作画:山田みちしろ
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あらすじ

土佐の民話 第二集(未来社,1974年08月30日)に、同タイトル名のお話があり「このお話かもしれない」ということであらすじを書いてみます。

幡多の大方に米次という孝行者が母親と暮らしていた。ある年の暮れ、米次が山を下りながら、♪ポッタリ ポッタリ 餅ついて 一つ食わせたい おなんさんに♪
と、口ずさんでると、どこからか一緒に歌う者がある。米次は見回したが、地蔵さましかいない。そこで試しにとまた歌うと、地蔵さまが一緒になって歌いだした。

米次は「ありがたいことじゃ」と驚き、地蔵さまを背負って町へと出た。そして「地蔵さまに歌を歌わしょう」と言うと、「へぇ、地蔵さんがのう。一つやってみせたや」と、人が集まってきた。米次が「ポッタリ ポッタリ 餅ついて~」と歌うと、地蔵さまも一緒に「ポッタリ ポッタリ 餅ついて~」と歌いだす。最初は静まり返っていたが、とたんに大騒ぎになった。

やがて、その噂は殿さまの耳にも入り、米次は城へと招かれた。そして、米次が「ポッタリ ポッタリ 餅ついて~」と歌うと、地蔵さまも一緒に「ポッタリ ポッタリ 餅ついて~」と歌いだす。これには殿さまも「見事じゃ見事じゃ」と大喜びし、米次に褒美を取らせた。

さて、この米次の家の隣に金蔵という欲ばりな男がおった。金蔵は米次の話を聞いて、地蔵さまを借りると町へと繰り出した。そして「地蔵さまに歌を歌わしょう」と言って、人を集めたが、歌っても歌っても、地蔵は押し黙ったまま。見物人があきれて帰ると、金蔵はカンカンに怒って、地蔵さまを砕いてしまった。

米次は無残な地蔵さまの姿に心を痛め「もったいなや」と庭に埋め、祠を立てて祀った。すると、そこから竹がスクスクと生え、天まで届くほどになった。何の気なしに米次が竹をゆすると、チャランチャランと天から小判の雨が降ってくる。

この小判の音に金蔵が飛び出し「わしにもゆすらいてくれや」と言って、返事も聞かぬまま竹をゆすったそうな。そしたら、今度は毛虫が降ってきて、金蔵の体中にまとわりついた。「こりゃあ、たまらん。助けてくれぇ」と悲鳴を上げ、一目散に逃げていったとさ。

(投稿者: araya 投稿日時 2012年1月17日 2:46 )


ナレーション未見のため不明
出典クレジット不明
出典詳細土佐の民話 第二集(市原麟一郎,未来社,1974年08月30日)によると、採録地は幡多郡。舞台は「幡多の大方」から、現在の高知県幡多郡黒潮町入野の大方地区。
場所について幡多の大方(地図は適当)
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地図:幡多の大方(地図は適当)
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※掲載情報は 2012/1/17 21:16 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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ゲスト  投稿日時 2021/2/8 7:24
米次はおっ母思いの孝行者、隣の金蔵は欲深。
カケス  投稿日時 2019/1/19 20:55
「ぼったら、ぼったら、餅ついて~♪」
これ、カケスも子供のころにきょうだい達で歌っていました。
特に年末年始に母がお餅を買ってきた時に喜んで歌っていたことを思い出します。
自分でもこの歌の元ネタがわからなかったのですが、この昔ばなしだったのですね!
すっきりしました。
ゲスト  投稿日時 2018/8/20 16:16
子供の頃の記憶が急に蘇りここへ導かれました。
何十年経っても歌って覚えてるもんですね。
えびなます  投稿日時 2012/2/21 0:43

♪べったら、べったら、もちついて~ ひとつ喰わせた~や かかさんに♪
歌、おぼえてる~!
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