この未見お話には複数の出典元が予測され、それぞれの書籍に同タイトル名のお話があります。「このお話かもしれない」ということであらすじを書いてみます。
昔、旅の六部が、小判が一枚入った財布を拾いました。財布には「せんとくに与える金」と書かれていて、六部は「せんとくとは一体誰だろう」と思いつつ、財布はそのまま置いておきました。
すると、落ち葉拾いのお爺さんがやってきて、財布には気が付かずそのまま落ち葉と一緒に財布をカゴに入れて持って行ってしまいました。一部始終を見ていた六部は、「あのお爺さんがせんとく氏かもしれない」と思いました。
六部はまた歩き出しました。やがて日が暮れてきたので、一軒の家に泊めてもらう事にしました。すると、その家はあの時の落ち葉拾いのお爺さんの家でした。六部は、財布の事は何も話さず、その夜はぐっすりと眠りにつきました。
翌朝、お爺さんの家では孫が生まれていました。その孫の名前は「せんとく」という名前でした。六部はなるほどと納得し、昨日の財布の事をお爺さんに話しました。その話を聞いたお爺さんは「財布は最初に見つけた六部の物だ」と考えました。
そこで、再び旅立つ六部のために、焼きおにぎりをいくつか作って持たせてあげました。その中に、小判を入れておきました。そうとも知らない六部が道を歩いていると、息を切らせて歩いてくる若者と出くわしました。
六部は「疲れているようだから、この焼きおにぎりを食べなさい」と一つ渡しました。若者は丁寧にお礼を言って、焼きおにぎりをふところに入れて、急いで立ち去って行きました。この若者は、お爺さんの息子つまりせんとくのお父さんでした。
家に帰ってきた若者の焼きおにぎりを見て、お爺さんは驚きました。結局、お爺さんの家に戻ってきた小判は、せんとくの物となりました。
(紅子 2013-10-7 2:08 山形のとんと昔より)
ナレーション | 未見のため不明 |
出典 | クレジット不明 |
出典詳細 | 1.山形のむかし話(各県のむかし話),1978年09月01日,原題「せんとくの金」,話者「江口文四郎」2.出羽の民話(日本の民話),未来社,1958年04月20日,原題「せんとくの金」,話者「江口文四郎」3.山形のとんと昔,高陽堂書店,1976年11月6日,原題「せんとくの金」,話者「江口文四郎」 |
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