福島は浜通の浜吉がある日漁に出て網に人魚をかけた。人魚はひどく疲れている様子だったので浜吉は自分の舟に寝かせてやった。
ある嵐の夜、旅の女が浜吉の家を訪れた。その後も行くあてもないというので浜吉は家に置き、やがて二人は所帯を持った。
嫁は不思議と海に通じていて、嫁の言う所に網を打つと決まって大漁となった。浜吉の家は大きくなったが、これが面白くない網元が、浜吉の嫁に難癖を付ける。
曰くあれは竜宮から来たに違いない、風呂に入ってる所を覗いてみろ、きっと尻尾が生えていると。浜吉は確かに嫁から風呂を覗かない様に申し渡されていた。
そこに網元の言葉で、つい風呂を覗いてしまった。確かに嫁はかつて浜吉が舟で休ませた人魚であった。途端に大嵐がやってきて、正体を知られた嫁は海へと帰ってしまった。
(引用/龍学-dragonology-)
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | 片平幸三(未来社刊)より |
出典詳細 | 福島の民話 第一集(日本の民話13),片平幸三,未来社,1958年10月31日,原題「人魚と漁師」,採録地「双葉郡」 |
場所について | 出典元によると、双葉の沖(地図は適当) |
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