昔、ある山のふもとに二人の木こりの爺さんが住んでいました。年はとっていましたが働き者の爺さんと、怠け者の爺さんの二人でした。
ある日、働き者の爺さんが池のそばで木を切っていると、斧の刃が柄から抜けて池に落ちてしまいました。途方に暮れた爺さんは、池の水神様に「おらの斧を出して下さい」とお願いしてみました。すると、池から水煙があがりその中から水神様が二つの斧を持って現れました。
水神様は「お前の落とした斧というのはこれか?」と金の斧を差し出しましたが、正直な爺さんは自分の落とした方の斧を受け取りました。すると水神様は「正直者で欲が無い者には、褒美としてこの金の斧もあげましょう」と言って、金の斧を残して水の中に帰って行きました。
この話を聞いた隣の怠け者の爺さんは、斧を持って池まで走っていきました。斧を火にくべて無理やり斧を柄からもぎとり、池の中に投げ込んでから水神様に祈りました。水神様は前回と同じく、金の斧と普通の斧を持って出てきましたが、怠け者の爺さんは欲を出して金の斧の方を自分の斧だ、と言いました。
すると、水神様は「お前の様な不正直者には金の斧はやれない、帰れ」と、そのまま水の中に消えていきました。結局、爺さんは金の斧をもらえなかったばかりか、自分の斧まで無くしてしまい、家ではご馳走を用意して待っていた婆さんの借金も払えなくなり、ますます貧乏になりましたとさ。
(紅子 2012-3-17 2:39)
ナレーション | 常田富士男 |
出典 | (表記なし) |
DVD情報 | DVD-BOX第2集(DVD第10巻) |
VHS情報 | VHS-BOX第2集(VHS第14巻) |
本の情報 | 童音社BOX絵本_第75巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/講談社テレビ名作えほん第034巻(発刊日:1980年12月) |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(童音社編集部)には、地名の明記はない |
講談社の300より | 書籍には地名の明記はない |
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