No.0251
ゆめのこうしん
夢の孝心

放送回:0156-B  放送日:1978年10月21日(昭和53年10月21日)
演出:藤原万秀  文芸:沖島勲  美術:西村邦子  作画:藤原万秀
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あらすじ

昔、鎌倉のある村に、大きな瓦屋根の家と小さなわらぶき屋根の家が寄り添うように建っていました。二つの家の主人はとても仲良しで、その息子の六助と千吉もやっぱり仲良しでした。

二人の主人が亡くなった頃、わらぶき家に住む千吉が、死後の世界でさまよう父親の姿を夢に見ました。なんでも、六助の親父から借りていた「銭一貫と麦三俵」を返さずに死んだため、閻魔(えんま)様の手下の鬼たちが許してくれず成仏できないでいる、との事でした。

そこで千吉は、一年間働きづめに働いてどうにか六助に借りた物を返す事が出来ました。しかし今度は、六助の親父が夢枕に立ち、「困った時はお互い様、貸したつもりもない物を受け取ってしまうとは、世間さまに顔向けできない」と、六助を叱りつけました。

二人の親孝行な息子たちは、父親の言いつけを守ろうと貸し借りを巡り、最後にはケンカになってしまいました。困った二人は、とうとう鎌倉のお奉行様に裁いてもらう事にしました。お奉行様は、親孝行な二人の話を聞き、銭一貫と麦三俵はいったん奉行所あずかりとし、あらためて二人の息子に返し、それを菩提寺に納めて父親の供養をするように提案しました。

二人の息子たちは、このお裁きに大満足してそれに従いました。この心温まる話を知った村人たちは、いつまでも二人の事を語り伝えたそうです。

(紅子 2011-9-25 18:55)


ナレーション市原悦子
出典神奈川の伝説(角川書店刊)より
出典詳細神奈川の伝説(日本の伝説20),森比左志,角川書店,1977年7年10日,原題「夢の孝心-鎌倉の裁き」
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追加情報
本の情報サラ文庫まんが日本昔ばなし第27巻-第133話(発刊日:1978年12月20日)
サラ文庫の絵本より絵本巻頭の解説には地名の明記はない
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※掲載情報は 2011/9/25 18:55 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
4件表示 (全4件)
ゲスト  投稿日時 2019/1/4 7:42
いやいや、「借りたものは返せ」は人間だってそうでしょう。「借金踏み倒しても死ねばオッケー」なんて、そりゃ困るわ。
下手すりゃ「何回悪いことして人に恨まれても、捕まる前に寿命くりゃ罪を償わなくてオッケー」って理屈にもなりかねない。
お裁き自体はは公平だよ。

返された方は返された方で、お裁きではなく「返してもらうにしても、もうちょい遠慮ってもんがあるだろ」って怒られただけで。
さらに、当事者では譲り合い精神が過ぎて収拾つかなくなったのを、よいお裁きしてもらえてよかったね。
出てくる人たちが、みな自分の利益じゃなくてお互いのことを思いやってるが故の一悶着ってのが、なんかそれまでの仲の良さを思わせるね。
ゲスト  投稿日時 2016/1/10 12:04
いい話ですね。良い教訓話になっていますね。
借りたものを、返さないと閻魔様の裁きに合うとか・・・。
また 鎌倉の裁きは、大岡裁きに似てるように感じました。
仲善きことは素晴らしきかな です。
ゲスト  投稿日時 2015/11/14 23:48
しかし閻魔の手下の裁きはいかがなものか。
人とは常識が違うのか・・・?
死後そんなんで裁かれるんだとしたらたまらんな。
なおさん  投稿日時 2012/10/27 17:51
いいお話です。こういうお話を忘れたくないです。
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