浦島太郎という漁師が年老いたおっかさんと二人で暮らしていた。
ある日、浜辺で子ども達が一匹の子ガメをつつきまわしているのを見たので、助けて海へ逃がしてやった。数年後太郎が海で釣りをしていると、大きな亀がやって来て、昔助けてくれたお礼にと海の中の竜宮へと連れて行かれた。竜宮では美しい乙姫さまに歓迎され、魚たちの踊りや、素敵なご馳走でもてなされ、楽しい毎日を過ごした。
しかし何日か経つと太郎は村に残してきたおっかさんのことが気になって、だんだん元気がなくなってきた。それを察した乙姫さまは「村に帰って、もし困ったことがあったら、この玉手箱を開けなさい。」と言って、太郎を送り出した。
太郎が亀の背に乗って村に帰ると、自分の家はおろか村の様子がすっかり変わっていて、太郎の知っている人が一人もいなくなっていた。太郎が竜宮で過ごしているうちに、地上では何十年も経っていたのだった。困った太郎は、乙姫さまに貰った玉手箱のことを思い出した。
蓋を開けると、中から白い煙がもくもくと出て、たちまち太郎は白いひげのお爺さんになってしまった。
(稿: 蔵人 本掲載日2012-8-14 14:33 )
ナレーション | 市原悦子 |
出典 | (表記なし) |
本の情報 | サラ文庫まんが日本昔ばなし第3巻-第011話(発刊日:1976年6月25日)/童音社BOX絵本_第18巻(発刊日不明:1970~1980年頃)/国際情報社BOX絵本パート1-第050巻(発刊日:1980年かも)/二見書房まんが日本昔ばなし第2巻-第05話(発刊日:2005年10月17日)/講談社デラックス版まんが日本昔ばなし第25巻(絵本発刊日:1985年03月15日)/講談社テレビ名作えほん第001巻(発刊日:1977年5月) |
サラ文庫の絵本より | 絵本巻頭の解説には地名の明記はない |
童音社の絵本より | 絵本巻頭の解説(民話研究家 萩坂昇)によると「京都の昔ばなし」 |
講談社のデラックス版絵本より | 江戸時代に書かれた「御伽草子」の中に出てくる、異郷に遊ぶ人間のお話です。夢見がちな若者、浦島太郎は、助けたカメの案内で乙姫様のいる竜宮城にいきます。そこはまさに夢の楽園。我を忘れて楽しい日々を過ごしますが、やがて我が家が恋しくなって地上へ-。しかし、地上の様子はすっかり変わっていました。遊んでいたのは2.3日のつもりだったのに、地上では何百年もの月日が過ぎていたのです。途方に暮れた浦島太郎は玉手箱をあけ、お爺さんになってしまいました。しかし、誰でも一度は夢の異郷にいってみたいと思うもの。各地に浦島伝説があるのも、そのためでしょう。(京都地方のお話) |
講談社の300より | 書籍には地名の明記はない |
レコードの解説より | LPレコードの解説によると「京都地方の昔ばなし」 |
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