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No.0224
ひなたにすてられたこのみ
火なたに捨てられた木の実
高ヒット
放送回:0139-A  放送日:1978年06月17日(昭和53年06月17日)
演出:藤本四郎  文芸:沖島勲  美術:内田好之  作画:高橋信也
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あらすじ

昔、ある山に炭焼きの夫婦がおりました。この夫婦には一人の幼い娘がおり、名を「花(はな)」と言いました。

冬も近づいた秋の頃、花が炊事の用意をしていた時のことです。狐がリスを狙っているところを目撃し、おもわず柄杓(ひしゃく)で狐を殴り殺してしまいました。花は自分のしたことが怖くなって、狐の血のついた柄杓を囲炉裏に投げ込んで燃やしてしまいました。

しばらくして、両親が沢山の木の実を持って帰ってきました。花が食べた実の種を囲炉裏に吹き出すと、それを見た両親が「火なたに木の実を捨ててはいかん。木の実が化けて出ると言うたじゃろ」と咎めました。

次の日、両親は里に出かけたので、花ひとりが留守番をしていました。雨の降る中、花は少し心細くなりながら待っていましたが、夜になっても両親は帰ってこず、花は炉端でうとううとと居眠りをし始めました。

すると、囲炉裏の中から身の丈三寸ほどの木の実を被った小人が現れ、お囃子のように楽器を鳴らし出しました。最初こそ可愛いと思った花でしたが、囲炉裏からどんどん出てくる小人たちが次第に怖くなってきました。花は、小人達を囲炉裏の中に押し戻し、灰の中に埋めてしまいました。すると、こんどは灰の中から手がでてきて、花の足を掴みました。花は悲鳴をあげて、そのまま気を失ってしまいました。

翌日、両親が囲炉裏の灰を探ると、柄杓と木の実の種が沢山見つかりました。やはり柄杓と木の実が化けたのでしょう。山からもらった木の実は、土にかえすのが一番いい。そうすれば、またいつの日か沢山の木の実をつけるのだから。

(投稿者: もみじ 投稿日時 2012-7-13 23:46 )


ナレーション常田富士男
出典江馬三枝子(未来社刊)より
出典詳細飛騨の民話(日本の民話15),江馬三枝子,未来社,1958年12月20日,原題「火なたに捨てられた木の実の種は化ける」,採集者「代情通蔵」
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追加情報
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※掲載情報は 2012/7/14 1:33 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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吉兵衛どん  投稿日時 2022/1/27 0:44
何も狐を殺さなくてもいいと思うけどな…追い払う程度にしとけばよかったのに…
華煌  投稿日時 2019/11/17 8:41
わたしもきつねのことが気になりました。
ただ殺されてそのままにされたままなのでしょうか。
何か供養をしてやったのでしょうか。
木の実同様、一言でも言葉の端に乗せて欲しかったです。

花の行動を見て思ったのですが、留守番をしてしっかりしているようでも、
生きていく上での知恵が足りない気がしました。
足手まといであろうし、危険も伴うので仕事場に連れて行かないのだろうけれど、
夕食の支度ができる頃なら、両親と一緒に炭焼き場に連れて行って、
両親の行動から、生きる智慧なり、自然とのかかわり方なりを教えるのが
子どもの為にもなるのではないでしょうか。

きつねにも家族があり、子どもたちにえさを与えようとリスを狙ったのではないかと思うと、
人間が食物連鎖に傍から関わるのはどうなんだろうと疑問に感じました。
観終わって、アニメの終盤のようには気が晴れませんでした。
ゲスト  投稿日時 2018/4/14 19:50
狐は生きるためにリスを食べるのに……狐が不憫でならない。
ゲスト  投稿日時 2016/2/21 5:33
キツネ殴り殺したり、少女が案外野蛮。
ゲスト  投稿日時 2015/11/14 22:04
きつねカワイソス
人狼  投稿日時 2013/3/21 22:55
はじめまして。
初めて投稿させていただきます

地味な話ですが、説得力のあるお話ですね。
非常に懐かしいです。

素朴な味わいがあり好きな話です。
わらわら出てきた小さな小人たちや
最後に出てきた大きな化け物は、
何かいいたげな感じがしました。

化け物たちは少女に何を伝えたかったのでしょうか。
そういう意味ありげな終わりかたが素晴らしいです。
絵の雰囲気もまん日らしさがよく出ていて、
とても落ち着いていて丁寧で素晴らしかったです。

いま思えば親のいいつけを守ることの大切さは子供のときから知らず知らずのうちに
こういう話から自然に学んでいくのでしょうか。

もし不適切投稿であれば遠慮なく削除なさってください。<m(__)m>
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