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No.0208
きつねのおんがえし
キツネの恩返し
高ヒット
放送回:0128-B  放送日:1978年04月01日(昭和53年04月01日)
演出:森田浩光  文芸:沖島勲  美術:内田好之  作画:森田浩光
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お坊さんとキツネの心温まるふれあい話。

昔、東京の中野に旅のお坊さんが住み着いた。お坊さんは修行に明け暮れていたが、当時の中野は人気のないところだったので、寂しさを感じていた。

ある春の日。坊さんは野原で石仏を作っていた。そこにキツネが現れた。キツネはしばらくお坊さんの方を見ていたが、やがて去っていった。お坊さんは久々に生き物を見たので、あのキツネがまた来ないかと気にしながら毎日を過ごしていた。

そんなある日、あのキツネがまたやってきた。お坊さんはキツネに柿をふるまってやった。キツネは食べ終わるとまた帰っていった。それからキツネは毎日お坊さんの所へくるようになった。お坊さんは自分の食事を分けてやるようにした。キツネはすっかり懐き、昼はいつもお坊さんの傍にいて、夕方になると帰っていくようになった。

ある秋の日、お坊さんは用ができて町へ行かねばならなくなった。日が暮れたころ戻ると家に灯りがついている。キツネが囲炉裏に火を焚いて待ってくれていたのだ。その日キツネはお坊さんの家に泊まっていった。

初雪の降る日、お坊さんはキツネの身を案じて遅くまで起きていた。すると戸口から物音がする。開けてみると袋をくわえたキツネが入ってきた。そして「坊さん、この袋の中に米と小豆が入っているから粥でも作ってくれろ。寒いから粥でも食って温まろ」と言った。お坊さんとキツネは仲良く小豆粥を食べた。その晩、キツネはお坊さんと一緒に寝ながら恩返しがしたいと言い出した。お坊さんは火事にあわないこと、水が夏に冷たく冬に暖かければいいと言うた。

その時から中野の水は夏冷たく、冬暖かくなり、火事もあまり起こらなくなったそうな。

(投稿者: hiro 投稿日時 2012-1-13 20:12 )


ナレーション市原悦子
出典東京のむかし話(日本標準刊)より
出典詳細東京のむかし話(各県のむかし話),東京むかし話の会,日本標準,1975年09月25日,原題「キツネの恩がえし」,再話「横笛太郎」
場所について東京の中野(地図は適当)
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地図:東京の中野(地図は適当)
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※掲載情報は 2012/1/14 3:33 時点のものです。内容(あらすじ・地図情報・その他)が変更になる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
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コメント一覧
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匿名希望。  投稿日時 2021/12/23 15:55
とっても、ほのぼのする昔話です。
南のみゃんこ  投稿日時 2016/7/3 20:43
キツネには家族はなかったのでしょうか。
孤独な2人の交友、なんとも心あたたまるお話です。
ゲスト  投稿日時 2015/9/27 20:29
いやそれは、坊さんところだけじゃなく中野全体がそうなったんだから、
普通に考えて村の衆が夏は涼しく、冬は暖かく水仕事が出来るようにという坊さんの思いやりでしょう
ゲスト  投稿日時 2014/6/20 21:02
「夏は冷たい水、冬は温かい水がほしい」
お坊さん、「わしは世を捨てた身ゆえ、望むものはない」とか言いながら、なにげに無理難題を要求しているw

ゲスト  投稿日時 2014/6/18 19:13
きつねがカワイイ!
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